ふと、あるラーメン屋を思い出した。
「金ちゃんラーメン」。
かつて京都を中心に、チェーン展開していたお店だ。
地元の交野市にも支店があり、大学時代にバイトをしていたので思い入れは強い。
そういえば、金ちゃんラーメンって今でもあるのかな?
最近京都の道を走っていても、めっきり姿を消してしまった。
20年以上も前だし、さすがにもうないか。
念ためネットで調べてみると・・・あった!
京都の城陽に、おそらく唯一の店舗がある。
これは行かねばと、土曜日の昼に行ってみた。
同名でまったく違うお店だったらどうしよう。
そんな不安は、赤を貴重にした店構えで払拭された。
窓にある「おいでやす」というコピーとロゴは、まさしく金ちゃんラーメン独自のものである。
店に入ると、キッチンを囲むように屋台風のカウンター。
これこれ!
働いていた場所は違えど、やはりチェーン店、雰囲気は似ている。
メニューもほぼほぼ同じだし、カウンターの各種薬味も同じ。
うっすらバイト時代を思い浮かべながら、当時いちばん好きだった「白湯ラーメン」を注文。
やがて運ばれてきたラーメンは、京都ラーメンらしく背脂が浮かぶ。
サラサラ系のスープは白濁し、しっかり白湯の香りがする。
バイト時代の思い出は、スープをひと口飲むタイミングで濃度を増す。
そんなはずだった。
違う。
ぜんっぜん違う。
僕の知っている金ちゃんラーメンの白湯は、油ギットギトで常に油の膜が貼るくらいの濃度だ。
スープもドロドロで、天下一品とまではいかないが横綱に匹敵するものであった。
バイト時代にこんなことあったな~、なんてことを味を通して思い出したかったのにな。
いや、だからといって味が悪いのではなく、これはこれでおいしかったけど。
金ちゃんの総本店が潰れてチェーンでなくなったから、独自で味を生み出しているのか?
それか総本店が何だかんだで味を変化させていたのか。
事実はわからないが、あの味をもう口にできないのかとただ残念でならない。
本当は味をほとんど覚えてへんねんけど。