キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その7(最終回)~

絶望的に険しい山道を登って後悔しまくった、つづき。

 


ようやく坂がなだらかになったところに、標識がある。
左へ行けば心経山、右へ行けば目的の王頭山。
「これ本当に山道か?」と思えるほどの険しい道を進んできたので、順路が確認できただけでも、かなり安心感がある。
落ち葉だらけで腰を降ろせはしないが、しゃがみながらひと休憩をする。

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そこからは木々を抜ける道で、先ほどのようなヤブはなくなる。
ようやく、ちゃんとした登山道を歩ける。
と思ったが、標識がほとんどないし、似たような道の分岐が続いているため、どれが登山道なのかがわかりづらい。
たまに木に貼られている赤や白のビニールテープが登山道の証だ、ということを辛うじて知っていたので、何とかそれを目印に進む。
それでも、数か所で曲がる場所がわからなくなる。

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いったん下り坂が続いてからは、再びヤブが深い登り坂となる。
あいかわらずクモの巣が多く、登山というよりは道をメンテナンスしている感じだ。

 


やっと、海の景色が見える場所へ到着。
しかし、一歩道を踏み外せば冗談抜きで「死」を覚悟しないといけない危険な場所だ。
ただでさえ高所恐怖症なのに、怖くてたまらない。


すくむ足を何とか進めていくと、まさかの行き止まり。
ムリやり上方のヤブへ進むと、そこに登山道が左右に延びる。
なるほど、単純にどこかで道を間違ったようだ。

 


そして、山頂。

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厳密には山頂より少し歩いた場所にある展望台で、ひと休憩する。
丸い岩がいくつかあり、決して広いわけではないが、ちゃんと景色を見下ろせて達成感はじゅうぶん味わえる。
暑さと疲労で、かなり長めの休憩となる。

 

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下山する道を進むと、すぐに「王頭砂漠」と呼ばれる場所にたどり着く。
丸い岩がいくつもゴロゴロ転がっており、足場は名前のとおり砂地となっている。
なかなかいい景観で、ここでも少し休憩をする。

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あとは下山。
あいかわらず深いヤブを進むわけだが、やはり下り坂なので早い。
といっても30分は歩き続けることとなった。

 

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下山後は、江の浦を経て立石の集落へ向かう。
ここから、お遍路の続きである。


前回見つからなかった石仏が山手のほうにいくつかあるらしいのだが、その山手に続く道がわからない。
ある程度目星をつけていた道は、雑草が深く生い茂っていて、完全に道がふさがっていた。
さすがに今から、雑草をかき分けてまで深い山道には入りたくない。


結局、最後の88番だけを巡って、半年またぎの結願。
1番にお礼まわりをしてからは、お宿に電話して迎えに来てもらうことに。
本当は迷惑もかけたくないのでバスに乗るつもりだったのだが、すっかりバスを乗り過ごしてしまったのだ。

 

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宿に戻ってからは、3時間以上の自由時間。
がっつり昼寝してやろうと思っていたが、シャワーを浴びて部屋と台所の片付けをしているとどんどん時間が削られていき、結局1時間ちょっとしか眠れなかった。
日常生活って時間がかかるものだなと感じる。
ふだん家事をしない環境で暮らしているので、なおさらである。


それはそうと、普通の宿なら午前10時ごろにはチェックアウトが必要なのだが、夕方近くまで長居させてくれるのはありがたい。

 


そんなこんなで、午後4時40分発の渡船で丸亀に戻り、何だかんだで午後9時に家へ到着。
まるまる3日、どっぷりと楽しむことができた。
ノープランで退屈するかも知れない、という心配は何のその、遊び疲れが残りまくる結果となった。
自分の性格上、何もせずゆっくり時間を過ごすということができないんだろう。

 


※注意
今回のお宿「旅ねこ」で受けた、車のレンタル・特定場所への送迎・夕食のおすそわけ・遅い時間のチェックアウトなどは、おそらく閑散期だからこそ受けられたものであり、ご夫婦の厚意によるものであるため、行けば必ずついてくる標準的なものではありません。