キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その6~

ようやく3日目の話。

 


予想外にフル活動となった2日間に対し、最終日は予定なし。
宿でゴロゴロするのもいい、と思っていたが、何かしないともったいない気持ちが強い。
前日に宿のご両親に相談し、登山をすることにした。
「王頭山」という312mの山があり、いくつかの登山道があるうち、比較的難易度の低い「甲路」という集落からの道を進むことにした。

 

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朝は少しゆっくりし、コミュニティバスで「甲路」を降りる。
はじめはなだらかな坂だが、やがて坂がきつくなり、舗装もなくなる。


10分ほど登ったところで、大きなヘビが道を悠々と横断している。
そのすぐ左手に「心経山」という道標があり、険しいヤブで覆われている。
目指している山と違うとはいえ、こんな危険な道を歩くのはイヤだなと感じる。

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進むにつれ、どんどん勾配がきつくなる。
どこかでひと休憩したいところだが、ほどよく腰を降ろす場所もないので、疲労と暑さをこらえてひたすら足を運ぶ。


ようやく開けた場所にたどり着くと、そこは採石場
なかなかダイナミックなところを通るんだな。
と思っていたが、その先に道は延びていない。

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マジか!
そこそこ登ってきた道をひき返すこともだけれど、さっきヘビがいたヤブの道を進まないといけないことに、ちょっとした絶望感を覚える。

 


坂を下って、いざヤブの中へ。
まったく進めないわけではないが、少なくともヒザより下はまったく見えない。
それこそ、ヘビがいようものなら、かまれてもおかしくない。

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ここで役立ったのが、金剛杖。
そう、お遍路さんの格好で登山をしていたのだ。
杖を地面に強く突くことでヘビを牽制しつつ、目の前に何度となくあらわれるクモの巣も取り除ける。
もっといえば、クモの巣が見えなかったときでも、かぶっているすげ笠のおかげで頭や顔に巣がまとわりつくことを防げる。


とはいえ、ヤブをかき分けクモの巣と格闘しながら進むことは、決して快適なものではない。
もちろん、ひたすら登り坂なのでバテるし暑くなるし。
休憩する場所もなければ、立ち止まると今度は蚊が大量に寄ってくるので、ひたすらあるき続けるしかない。


何度も引き返すことを考えたが、引き返したところで宿までのバスを何時間も待たないといけないし、宿に戻ってもやることがないため、ここは意を決して進むことにした。

 


次回、最終回。