キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

崖の上のスハネフ

旅やドライブでなくとも、散歩途中でもいい。
たまたまオシャレなカフェテリアを見つけ、非常に居心地がよかったりする。
そんな空間でわずかな時間を過ごせただけで、何げない1日が光り輝くときがある。

言わば、「そんな空間」に感じる・・・


夕方、まーくんと合流してから、花山温泉→実家で奥さん(以下、ひげさん)と合流、を経る。
いよいよ3人で、今回の和歌山来訪のメインへと向かう。

市街地を抜けたかと思えば、何度もカーブが続く上り坂へ差し掛かる。
やがて、港町を見下ろせる風景が広がる。
車を停めたのは、ちょうどその風景が映える場所。


テラスを備えたお店に一歩入ると、目に飛び込むのは、大量のCD、バー風のネオン、そしてカウンター前に張りめぐらされたレール・・・
レールというのは、鉄道模型のもの。
カウンターに腰かけると、視野の端々に、鉄道グッズが飛び込んでくる。

「スハネフ14-1」という店の名前の由来を店員に聞くと、どうやら寝台列車の車輌の呼び名とのこと。
なるほど、店主の趣味が見事に反映されているわけだ。
鉄道ずくめではなく、あくまでカフェバーのインテリアとして調合されているあたり、うまい。


しばらくビールを飲みつつ談話していると、店主のべろんちょさんが奥からあらわれた。
鉄道好き、という世間の印象とは到底かけ離れた、シュッとしてカッコいい方である。

鉄道以外にも、廃墟に精通しているとのことで、話をうかがった。
すごい!
近場でウヨウヨ動いている僕とは違い、全国津々浦々の廃墟をめぐっているのだ。

淡々とした口調ながら、1つ1つの話にちゃんと切れ目があり、また話題がどんどんとあふれ出てくる。
「話だけで酒がすすむ」という褒め言葉どおり、ホンマに話だけでビールがぐんぐん進んだ。

さらに、話題は僕の愛車・ジムニーにまで広がる。
ジムニーでも相当なアタックを繰り返していたことや、和歌山に面白いスポットがあるなど、目からウロコがこぼれる話が、次々と出てくる。


結局、12時近くまで話しを聞かせていただいた。
趣味が合うというか、べろんちょさんの趣味が広いというか。
とにかく、僕にとってストライクな話題に、圧巻であった。
こんど和歌山で廃墟をめぐるときは、拉致してでも同行していただきたい。

左隣で話題について行けずのひげさんと、右隣で酒+疲労でダウンしているまーくんに、少し申し訳なさを感じた・・・