キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

東京物語~vol.1 汗

スポーツや入浴以外で、こんなにも汗がかけるものなのか。
ようやく汗が引いたのは、波乱万丈の東京生活1日目を回想しながら夢の中へ入る、ベッドの上だった・・・


「すいません!」
息を切らし、改札前で立ち往生を強いられた。
東京へ行くための荷物を引いて、家の最寄駅へ来たはいいが、幅広い荷物が改札を通らない。
唯一、駅員の改札の幅は広いので通ろうとするが、駅員さんがいないので、ゲートが開かない。

「すいません、通してください!」
電車の到着を知らせるアナウンスが聞こえ、思わず甲高い声を張り上げた。
ようやく駅員がやって来たはいいが、「何だんねん?」と迷惑そうな顔。

「通してください」
「何言うてはるんですか、わからん」
「だから、僕は改札の中に入りたんですよ、通してください!」

ここまで言わなぁ、わからんか?
ようやく改札をくぐったのは、電車がホームから離れる直前。
もちろん、電車を1本乗り遅らせた。
遅刻確定である。
駅員を殴ってやりたかったが、すでに大荷物を10分歩いて引いてきたので、そんな体力もない。
駅員をじっとにらみながら、次の電車を待った。


新大阪駅へは、待ち合わせより5分遅れで到着。
かけ足で、上司と後輩の待つ新幹線駅前へ。
しかし上司は、どうも先へ行っているとのこと。
上司に怒られる心配はなかったが、それならかけ足しなくてよかった。

ちなみに、予定していた新幹線は乗り遅れたが、10分もしないうちに次の便が来た。
こんな早く次の便があるなら、ますますかけ足しなくてよかった。

新幹線に入ったはいいが、今度は荷物が座席のすき間を通らない。
いったん荷物を台車から外し、後輩に手伝ってもらいながら、自由席へ移動。
なんとも情けない。


いよいよ、東京へ到着。
本来なら上司がタクシーを拾い、出向先へ向かう予定だったが、上司に電話すると「歩いて来い」。
ただでさえ道のわからないなか、大荷物をかかえながらの移動は大変である。

特に台車は、階段を上り下りできない。
常にスロープやエレベータを探し、移動した。


完全にヘロヘロになり、ようやく客先についたら、遅刻扱い。
これは僕が1本電車を乗り遅れたというレベルではなく、1時間以上も前から会議があったらしい。

さらに、大荷物を見て上司から叱咤。
まぁ、確かに客先に大荷物を持って行くなんて、言語道断。
ただ、そんな粗相をしてはいけないと思い、「前日までに東京へ移動してはどうか」「客先に入る前にチェックインしてはどうか」と、はっきり提言したはずだ。
その提言に対し「まぁ、大丈夫やろ」と適当な返事をした上司から受ける叱咤って、どうなん?


いきなり仕事はなく、おもに環境の説明などで社内をウロウロして、1日の業務終了。

重い荷物をかかえながら、宿泊先へ。
到着するや否や、宿泊先のオーナーから説明を受ける。
いやいや、見ろよこの汗!
と言う合間もなく、えんえん30分以上館内をウロウロさせられた。

休む間もなく食事をとらされ、休む間もなくお風呂に入れられ、午後9時前にようやく自由時間。
とりあえず部屋に入ったものの、気分がたかぶっていたため、すぐさま外出。
ひととおりご近所をまわり、2時間。
やはり汗ダクになるまで歩き続け、ようやく部屋に落ち着くこととなった。

が、最後の大仕事。
荷物をほどき、すべての荷物を家具類にしまわなければならない。
5分おきに休憩しつつも、なんとか1時間かけて終了。


当然、電気を消してから寝るまで、時間はかからなかった。
これほどまでに寝つきのよい夜は、ここ数年ではじめてではないだろうか・・・