キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

大地震の日

最大震度6弱という、大阪ではとんでもない地震が起きました。 当然ながら僕も被害者といえば被害者なのであるが、特にケガもなく無事でした。 意外にも多くの方から心配の連絡をいただき、ありがたい限りです。 特に、最近まったく連絡していなかった人からもいただき、本当に心がぽかぽか温まりました。

そんな今日という1日。

【07:30】 今週に限って早番。 いつもより早めに起き、けだるさをこらえながらも会社へ向かう。

【08:00】 京橋駅へ到着し、環状線へ乗り換えるためプラットフォームを変更。 間もなく電車がやって来て、ドアが開いたそのときだった。

衝撃ー。 下からプラットフォームが大きなハンマーで殴られたかのような、縦への強い衝撃が走る。 あたりは騒然。 その後、横揺れが起きる。 大きな地震である。

怖い! あまりに単純な感情がまず走った。 とはいえ、どうしたらいいかわからない。 とっさに姿勢を低くし頭をかがめたが。 だがそれは、むしろ火事のときの所作である。 冷静に考えたら、屋根つきの古いプラットフォームから真っ先に立ち去ることが正解。 それができないほど狼狽してしまった。

揺れて少ししてから、まわりで携帯が緊急速報を知らせる。 とっさに「遅いわ!」とつっこんでいた人を見て、この人は冷静でいいなと感じた。

【08:05】 ゆれがおさまった後にまず考えたのが、「早く電車乗せてくれ」ということ。 日本人の悪い習性だ。 本当に、しばらくは仕事に遅れることが気がかりだったし、仕事に行くこと前提の思考しかなかった。

後ろで過呼吸を起こす女性が、さらにあたりに緊張感を走らせる。 あたりが騒然となってきたころ、ようやく「駅から出てください」と駅員から声がかかる。 そこで改めて、はっとした。 会社に遅れるとか、そんな状況ではない。

【08:15】 足早に駅を離れてからは、比較的建物から離れた広場を陣取る。 ここで怖いのは余震である。 なぜ建物で避難できるのだろう、と遠方の人に首をかしげながら、「あの建物が崩れたらこっちに走ろう」とかシミュレーションを繰り返す。

寒い! よりによって、今日は長袖を着ずにTシャツで出てきた。 家→電車→会社という空間で過ごすことと今の季節を考えたら、それが妥当と判断できたのだ。 それでもやはり余震が怖く、建物には近づけない。

【08:45】 寒さに観念し、建物へと入る。 ただし、揺れたらすぐに飛び出せるドア付近。 まだ肌寒さは残るものの、ひとまずカラダ的なものは安心だ。 何もせずなんてことはできず、かばんから本を取り出してひたすら読む。

【09:30】 尿意をもよおしたので、建物の上の階にあるトイレへ。 上の階に行くほど、空調がしっかりしている。 えらいもので、このころになると余震への警戒が薄れる。 トイレを済ませてからは、特に人の少ない5Fへ行き、営業前の飲食店前にある椅子に座る。 再び読書に没頭。

【11:00】 会社の社内インフラにアクセスするも、特に「帰宅してよし」との命令もなく、むしろ他の人に「気をつけて出社してください」というメッセージがあり、やはりまだここで待機が必要なのかと落胆する。 震度6弱ですよ・・・

仮に今すぐ電車が動いても、勤務は昼食明けとなる。 と判断し、ランチをいただくことに。 30分ほど歩き回り、ネットを駆使して見つけた担々麺やさんは、ゴマのまろやかさが濃厚でうまい!

【12:00】 再び駅へ向かうも、依然電車は動かず。 ここで偶然会社の先輩に会い、苦笑を交わしてお別れ。

さすがに本読みばかりでは飽きてきたので、イオン(旧ダイエー)へ。 イオンへ吸収されても、ダイエー独特のB級感は健在。 こんな都会で、下町の商店街ばりの品々は見ていて本当に飽きない。

【13:00】 飽きないとはいえ、買い物をすると会社に持参できないという残念なリスクがあるため、1時間ほどで見るものがなくなる。 今度はKiKi方面へ歩き、ブックオフへ。 お料理雑誌など、ふだん見ないコーナーが意外に面白く、なかなか時間を潰せる。 しばらく見ていると、ようやく会社から「帰ってよし」ととれるお触れが出た。

【14:00】 帰ってよしとなったとて、電車は依然動かず。 迷わず向かったのはカラオケ。 実のところ、昼前からカラオケへは行こうとも考えていたが、カラオケの入っているテナントがいずれも古いビルなので、余震が怖かった。 そういう意味でいえば、この時点ですっかり危機感が薄れてしまっている。 ひさびさのひとりカラオケ、2時間が楽しくてたまらない!

【16:00】 JRは依然止まったままだが、京阪は動いていたので京阪で帰宅。 振替輸送をしないのは、JRのせいか? 京阪の車窓を眺めると、地元に近づくにつれ屋根を修復している人たちをちらほら見かける。 駅を降りて地元を歩いても、屋根瓦が落ちたり一部崩落している古い家屋が目立つ。 なるほど、京橋よりも震源地が近いぶん、被害は大きいようだ。

慌てて家中を見回るも、母親が片付けていたらしく、あまり大きな被害はない。 とはいえ、後から聞いた話、食器棚のグラスがいくつも割れてしまったらしい。 僕の部屋は特に何も潰れてはいないものの、家具の位置やモノの場所が微妙にずれていて、やはり地震の規模をまざまざと感じられる。

・・・といったところで、妙に長い1日だった。 地震直後は本当に怖くて、1時間くらい鳥肌がおさまらなかった。