キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

日本でいちばん寒い夏

無事、旅から戻りました。
帰ってきたのは昨日の夕方ごろ。


いや~。
寒かった!
東北なのである程度涼しいとは思っていたけれど、まさか寒さを感じるとは思わなかった。
とにかく太陽がなかなか顔を出してくれなくて。


それに加えて、風がきつかった!
下り坂やのに全然前に進まへんくらい。
寒さの原因の大半は、この風のせいだ。


この酷暑が続くなか、ある意味で非日常を体験できたのが、何よりよかった気がする。
その他もろもろ思うところはあるけれど、また小出しに紹介したいと思う。


取り急ぎ、帰宅報告でした。

f:id:kickboy:20180813000256j:plain

f:id:kickboy:20180813000302j:plain

f:id:kickboy:20180813000306j:plain

酷?東北

しばらく旅に出ます。
さがさないでください。


昨年夏の続きで、秋田から青森にかけて海沿いを走ります。
もちろん、キックボードです。


旅の直前は「楽しみ」と「不安」のどちらかに感情が傾きだが、今回は「不安」。
初日は慣れない飛行機移動だし、向こうに到着後のシャトルバス乗り換えに15分しか時間ないし。
2日目は雨予報だし、宿のまわりにまったくお店がなく飢えそうだし。
4日目はえげつない山道だし。
今日になって台風発生しているし。
全体的に集落の少ないルートだし。
酷暑だし。


ここまで不安要素が集結するって、珍しいのではないだろうか?
いつも何だかんだで、旅が終われば「旅よかった~!」と言っているのだが、今回もちゃんと言えるんだろうか?


まあ、ネガティブなことばかり書いていても仕方ないな。
東北は最高気温が30度前後で、この酷暑からエスケープできるのがうれしい!
青森なんてめったに行かないし、まず一生見ることのないだろう景色をたくさん見られる!
今回旅したからこそ出会える人もいる、はず!
着実に日本一周制覇に向けて進んでいる!


何ごとも気の持ちようが大事だ。
今回の旅も、必ず満足できたと言えるよう、がっつり楽しんできます!

f:id:kickboy:20180803235648p:plain

リメンバー「キックボード東京→茨城」

「キックボード東京→茨城」をアップしました。
http://tabi-boy.sakura.ne.jp/tabi/2018bousou_kick/2018bousou_kick01.html


かれこれ20年近くひとり旅を続けているが、最近になって妙にさびしさを感じるようになった。
また、昔は貧乏旅スタイルで「とにかく出費を抑える」ことをポリシーとしていたが、今はどんどん贅沢旅になってきた。
そんなことから、夜に居酒屋へ向かうことが多くなってきた。


今回もステキな出会いと、ステキな料理にありつけた。
やはりキックボード旅やからこそ、興味を持って話しかけてくれる。
走っているときはただしんどいだけだが、それがすべて報われる瞬間。
旅の楽しみというものが、こうして進化していくことを実感できてはじめて、「長いこと続けてよかった」と思う。


あっ!
あと、今回から少し改善してます。
写真にマウスをあてると、写真が少し大きくなります。
今まで写真が小さかったので、少しは臨場感が出るかなと。

意外とかんたんに実装できて、めちゃくちゃビックリしています。
Webの進化ってすごいね。
久しぶりに勉強しなおそっかな?

f:id:kickboy:20180727002301j:plain

f:id:kickboy:20180727002315j:plain

f:id:kickboy:20180727002323j:plain

f:id:kickboy:20180727002335j:plain

粟島 島へんろ ~その3~

つづき。
粟島でサバイバルな1日を過ごした夜から。

 


夕食時、宿の人からあるお誘いが。
この島の名物である、海ボタルを見に行くツアーに参加しないかということだ。
もちろん、この後やることがないので二つ返事でYes。


夕食後にロビーで集まり、10人ほどのお客さんとともに海へ歩く。
まずは、宿の人が事前に仕込んでいた罠を引き上げる。
すると、容器の中が青く光る。
さらにカクテルグラスに海ボタルを入れたものを鑑賞させてくれる。
グラスをゆらすとさらに光り、なかなかきれいである。
光り方は普通のホタルと似ているが、緑色ではなく宝石のような青色。

f:id:kickboy:20180612235820j:plain


さらに砂浜へ移動し、今度は海ボタルを砂浜へぶちまける。
すると、海ボタルがまるで星空のように広範囲にわたって光り輝く。
しばらくすると光は弱くなるのだが、砂浜を軽く叩くと、その刺激で再び光りだす。
実に神秘的で、しばらく時間を忘れて砂をペチペチ叩いては、感嘆の声をあげていた。

 

f:id:kickboy:20180612235827j:plain


3日目は、午前5時半に起床。
相変わらず朝食が遅いので二度寝しようにも、なかなか寝付けない。
それならいっそ、外を散歩しよう。
ということで、まだ太陽も目覚めたてで本来の明るさを出していない早朝の雰囲気を満喫。
独特の静けさがたまらない。
毎日訪れているはずの「朝」を、こうしてはじめて訪れた場所で体感できることが、個人的に旅の醍醐味の1つである。

f:id:kickboy:20180612235920j:plain


それから朝食をとり、お遍路のつづき。
本当なら最後に島随一のビュースポット「城山」に登りたかったのだが、時間の都合で泣く泣く行けず。
まぁ、再訪のきっかけができたと解釈すれば、悔しくもない。

 

f:id:kickboy:20180612235930j:plain


そんなこんなで、がっつり離島と島へんろを満喫できる旅となった。
えらいもんで、最近ややネガティブな気持ちになっていたのに、旅の後はコロッとポジティブになった。
心のリフレッシュには、離島は本当に最適である。

f:id:kickboy:20180612235940j:plain

粟島 島へんろ ~その2~

しっぽり静かな島の夜を満喫した、つづき。

 


せっかくの離島、朝早くから満喫したい!
という気持ちはあれど、宿の朝食が午前7時半からなので、部屋でダラダラと過ごす。
前日にそこそこひとり酒を飲み過ぎて、あまり朝から元気がなかったというのも本音だ。


くどいようだが、お遍路の詳細は割愛。
粟島の形状は「スクリュー」と例えられることがあり、宿や港がある地点を中心として、南西・北・東にスクリューの翼が広がる。


まずは南西部へ。
ネットで拾った地図では、ごていねいにお遍路の番号が打たれて案内されている。
案内に従い歩くと、さすが4月末にお大師さんがあったばかりということがあり、そこそ

こ険しい道なのにしっかり整備されている。

f:id:kickboy:20180612002320j:plain


と思いきや、10番を過ぎたあたりから、まさかの未整備!

f:id:kickboy:20180612002349j:plain

さらに15番から先は、道が完全に竹やぶで閉ざされている!
なるほど、お大師さんといっても、88か所すべてを巡れるようにはなっていないのか。

 


海沿いの平地に降り、いったん宿に戻ったころには昼食どき。

f:id:kickboy:20180612002416j:plain

本来なら自炊をするつもりだったが、宿でランチ営業もしていたので、遠慮なくあやかる。
食後は部屋に戻り、30分ほどゆっくり横になる。
午前中ずっと山を歩いて疲れているものの、うっかり寝たらしばらく眠り続けそうなので、そこは気をつかいながら。
それにしても、こうして空調のきいた部屋で横になれるなんて、連泊ってすばらしい!

 


昼からは北側へ。
住宅地を抜けて行くのだが、途中でブイを使ったアート作品が並ぶ。
まわりの雑草も狩られ、まわりを花で彩られていたりと、しっかり手入れされているさまはすばらしい。

f:id:kickboy:20180612002438j:plain

f:id:kickboy:20180612002441j:plain

f:id:kickboy:20180612002448j:plain


昨夜来た海岸を過ぎさらに時計回りに歩くと、やがて山道に。
手入れはされているも、時々草が生い茂っていて歩きにくい。

 


北側のプロペラを制覇すると、いよいよ東側へ。
しばらく平地を過ぎると、左手に見るからに険しい道が延びる。


うわ、マジか!
この道はまったくの未整備で、胸あたりまである藪を抜け、少し歩くとまた険しい藪、のくり返し。
港の比較的新しい案内地図にも、このあたりは「峠のさすり地蔵」とか案内されているのに、こんなもん普通の観光客が来れるか!

f:id:kickboy:20180612002518j:plain


最後の最後は倒木をほふく前進で抜け、ドロドロになりながらも北の岬へ到着。
ひと息つきたいところだが、この時点で午後3時半、けっこう時間が押しているので休むことができない。

 

f:id:kickboy:20180612002530j:plain


時間が押しているといいながら、しばらく歩いたところにある「ブイブイガーデン」を少し楽しむ。
ここは、先ほどもあったように、ブイのアート作品が並ぶ場所。
特にここは作品の数が多くて圧巻だ。
粟島の名物の1つでもある。

f:id:kickboy:20180612002548j:plain

f:id:kickboy:20180612002552j:plain

f:id:kickboy:20180612002556j:plain

f:id:kickboy:20180612002559j:plain


東のプロペラをまわり切ったところで、本来ならもうひと山進まないといけないところだが、諦めて本日のお遍路は終了。
明日も時間があるので、ここはムリせず明日まわしにしよう。

 


終日、なかば遭難ともいえる山登りを経てヘロヘロになり、午後6時にお宿へ。
ちょっと長くなったけれども、もうちょいつづきます。

粟島 島へんろ ~その1~

旅に出てから1週間も経ってしまったけれども、旅のお話。
志々島でのお話は、前回の日記を参照ください。
志々島から粟島に向かった、というところから。

 


午後5時に粟島へ到着。
素朴だった志々島とは違って、港にはいくつもの建物があり、アートオブジェがあり、観光案内看板がある。
散策したくてたまらないが、今からの時間だと中途半端だし、おとなしくお宿へチェックインすることに。

f:id:kickboy:20180611003913j:plain

f:id:kickboy:20180611003918j:plain


離島の宿というのはだいたい民宿やゲストハウスが多いが、今回泊まったのはテニスコートやキャンプ場なども併設する総合レジャー施設。
ツインルームで部屋も広く、2食付きで1泊1万円というのはなかなかリーズナブルだ。
夕食は懐石で、さすがに温泉旅館ほどのクオリティは望めないものの、ボリュームがあって満足できる。

f:id:kickboy:20180611003929j:plain


食後、とにかく時間が余っているので、外を散策しに行く。
もちろん夜に空いているお店はなく、街灯のある住宅地をふらふらと練り歩く。
そういえば、この島は海ボタルが有名な。
ということで、島の北側にある永浜へと向かう。


途中、街灯がなく真っ暗な道となる。
こんな夜中に何でこんな道を歩いているんだろう?
何ともシュールな時間を過ごしていることに、喜びでも寂しさでもない不思議な感覚に襲われる。


いざ到着した永浜には、海ボタルらしきものは見られず、ただ漆黒の海が波の音を轟かせるのみ。
ふと頭上を見上げると、満天の星空。
目的は達成できなかったが、これはこれで日常では味わえない雰囲気だと、しばらく佇んだ。

 


というところで、つづく。

志々島 島へんろ ~その2~

志々島に降り立った、つづき。

 


海沿いに東へ進むと、小さな小屋のようなものが並ぶ。
これは「埋め墓」というもの。
このあたりの離島では「両墓制」というものがあり、遺体を埋葬するための「埋め墓」とお墓参りするための「詣り墓」の2つを所有することが常だったそう。
なお、昨年行ったさぬき広島や手島にも埋め墓はあったが、どちらかといえば祠のようなものだった。
一方この島のものは、カラフルな屋根が設けられ、一軒家を小さくした形状となっていてインパクトがある。

f:id:kickboy:20180607233032j:plain


そこから島中をお遍路めぐりするのだが、詳細は別サイトで紹介予定なので割愛。


島の奥へ進むと、道に「大楠」の案内がある。
案内に従い進むと、やがて住宅地から離れ、上り坂が続く。
しばらく行ったところの右手に、今度は急な下り坂。
下りて少ししたところに、名前どおり大きな楠が鎮座している。


樹齢約1,200年、幹まわり12m、高さ22.5mだというその圧倒的な大きさと存在感に、思わず見入ってしまう。
30分くらいは見続けていたか。
この島のシンボルだと言われているが、むしろこの塩飽諸島全体のシンボルだと言ってもいいのではないだろうか。

 

f:id:kickboy:20180607233041j:plain


いったん道へ戻り、さらに島の奥へ進むと、道の脇にたくさんのあじさいが栽培されている。
ちょっと時期が早いので咲きはじめといった感じだが、数の多さは見てわかる。
ちなみにこの奥には廃村があるのみで、何の観光スポットもない。
何なら観光客も、大楠を見て引き返すだろうことが考えられ、あまりこの道を通らないのでは?と思える。
にもかかわらず、こうしてきれいに整備をするのはなぜだろうか?

f:id:kickboy:20180607233127j:plain


かつてこの島は、仏花の栽培で栄えたらしい。
個人の勝手な憶測でいえば、島で花を栽培するということに対する、島民のプライドが根付いてのものではないだろうか。
この山奥だけでなく、港付近にも多くの花が咲き乱れていることが印象的だから、余計にそう思える。
島民20人足らず、ということも考えるとなおさら。

 

f:id:kickboy:20180607233136j:plain


その後はお遍路に専念し、最後のほうは船の時間ギリギリになってダッシュしながら過ごす。
がっつり1日楽しんだ!という満足感があるのに、実質3時間半しか経過していないというのがすごい。
離島って、本当に時間の流れがゆっくりである。
ありがちな言葉だと言われそうだが、ウソだと思うならぜひとも離島で過ごしてみてください。

 


といったところで、志々島のお話はこれで終わり。
さらに粟島のお話が、またつづく。