キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

書き方、ちょっと変えます

今の自分の文体には、ちょっと満足がいかない。
特に旅のくだりに関しては、読み返すと淡々としすぎていてスカスカな印象がある。
プロの旅日記のような臨場感もない。

 


原因の1つが、テクニカルライターという職業柄のクセだ。
可能な限り一文を短くする、ということがクセになっている。
また、文の途中に「、」を多くつけてしまう。
結果として、淡々とした感情に乏しい文章になっているのだ。


もう1つが、一段落を4行までに収めるという縛りを作っていること。
そう書いたほうが読みやすい、と、昔どこかの記事で読んだことがあり、かなり前から実践しているのだ。
これだと冗長的になりづらくはあるのだが、逆にしっかり情報を載せておくべきところで、情報が途絶えてしまっている。


まずはこの2点に縛られないようにしたい。
そう書いていながらも、結局まだまだクセが残りっぱなしだけれど。
変に意識しすぎて、文体がめちゃくちゃにならない程度に、徐々に変更していきたい。

 


あと冒頭に書いた「読み返す」というところでいえば、ふだん日記を読み返さない。
かなり後になって読み返し、「何じゃこら」と赤面しそうな文章になっていることが非常に多い。
読み返さないことには、自分の文章の欠点に気づかないので、成長が望めない。
わずか1分そこらの手間を、省略せずしっかり徹底したい。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その7(最終回)~

絶望的に険しい山道を登って後悔しまくった、つづき。

 


ようやく坂がなだらかになったところに、標識がある。
左へ行けば心経山、右へ行けば目的の王頭山。
「これ本当に山道か?」と思えるほどの険しい道を進んできたので、順路が確認できただけでも、かなり安心感がある。
落ち葉だらけで腰を降ろせはしないが、しゃがみながらひと休憩をする。

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そこからは木々を抜ける道で、先ほどのようなヤブはなくなる。
ようやく、ちゃんとした登山道を歩ける。
と思ったが、標識がほとんどないし、似たような道の分岐が続いているため、どれが登山道なのかがわかりづらい。
たまに木に貼られている赤や白のビニールテープが登山道の証だ、ということを辛うじて知っていたので、何とかそれを目印に進む。
それでも、数か所で曲がる場所がわからなくなる。

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いったん下り坂が続いてからは、再びヤブが深い登り坂となる。
あいかわらずクモの巣が多く、登山というよりは道をメンテナンスしている感じだ。

 


やっと、海の景色が見える場所へ到着。
しかし、一歩道を踏み外せば冗談抜きで「死」を覚悟しないといけない危険な場所だ。
ただでさえ高所恐怖症なのに、怖くてたまらない。


すくむ足を何とか進めていくと、まさかの行き止まり。
ムリやり上方のヤブへ進むと、そこに登山道が左右に延びる。
なるほど、単純にどこかで道を間違ったようだ。

 


そして、山頂。

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厳密には山頂より少し歩いた場所にある展望台で、ひと休憩する。
丸い岩がいくつかあり、決して広いわけではないが、ちゃんと景色を見下ろせて達成感はじゅうぶん味わえる。
暑さと疲労で、かなり長めの休憩となる。

 

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下山する道を進むと、すぐに「王頭砂漠」と呼ばれる場所にたどり着く。
丸い岩がいくつもゴロゴロ転がっており、足場は名前のとおり砂地となっている。
なかなかいい景観で、ここでも少し休憩をする。

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あとは下山。
あいかわらず深いヤブを進むわけだが、やはり下り坂なので早い。
といっても30分は歩き続けることとなった。

 

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下山後は、江の浦を経て立石の集落へ向かう。
ここから、お遍路の続きである。


前回見つからなかった石仏が山手のほうにいくつかあるらしいのだが、その山手に続く道がわからない。
ある程度目星をつけていた道は、雑草が深く生い茂っていて、完全に道がふさがっていた。
さすがに今から、雑草をかき分けてまで深い山道には入りたくない。


結局、最後の88番だけを巡って、半年またぎの結願。
1番にお礼まわりをしてからは、お宿に電話して迎えに来てもらうことに。
本当は迷惑もかけたくないのでバスに乗るつもりだったのだが、すっかりバスを乗り過ごしてしまったのだ。

 

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宿に戻ってからは、3時間以上の自由時間。
がっつり昼寝してやろうと思っていたが、シャワーを浴びて部屋と台所の片付けをしているとどんどん時間が削られていき、結局1時間ちょっとしか眠れなかった。
日常生活って時間がかかるものだなと感じる。
ふだん家事をしない環境で暮らしているので、なおさらである。


それはそうと、普通の宿なら午前10時ごろにはチェックアウトが必要なのだが、夕方近くまで長居させてくれるのはありがたい。

 


そんなこんなで、午後4時40分発の渡船で丸亀に戻り、何だかんだで午後9時に家へ到着。
まるまる3日、どっぷりと楽しむことができた。
ノープランで退屈するかも知れない、という心配は何のその、遊び疲れが残りまくる結果となった。
自分の性格上、何もせずゆっくり時間を過ごすということができないんだろう。

 


※注意
今回のお宿「旅ねこ」で受けた、車のレンタル・特定場所への送迎・夕食のおすそわけ・遅い時間のチェックアウトなどは、おそらく閑散期だからこそ受けられたものであり、ご夫婦の厚意によるものであるため、行けば必ずついてくる標準的なものではありません。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その6~

ようやく3日目の話。

 


予想外にフル活動となった2日間に対し、最終日は予定なし。
宿でゴロゴロするのもいい、と思っていたが、何かしないともったいない気持ちが強い。
前日に宿のご両親に相談し、登山をすることにした。
「王頭山」という312mの山があり、いくつかの登山道があるうち、比較的難易度の低い「甲路」という集落からの道を進むことにした。

 

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朝は少しゆっくりし、コミュニティバスで「甲路」を降りる。
はじめはなだらかな坂だが、やがて坂がきつくなり、舗装もなくなる。


10分ほど登ったところで、大きなヘビが道を悠々と横断している。
そのすぐ左手に「心経山」という道標があり、険しいヤブで覆われている。
目指している山と違うとはいえ、こんな危険な道を歩くのはイヤだなと感じる。

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進むにつれ、どんどん勾配がきつくなる。
どこかでひと休憩したいところだが、ほどよく腰を降ろす場所もないので、疲労と暑さをこらえてひたすら足を運ぶ。


ようやく開けた場所にたどり着くと、そこは採石場
なかなかダイナミックなところを通るんだな。
と思っていたが、その先に道は延びていない。

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マジか!
そこそこ登ってきた道をひき返すこともだけれど、さっきヘビがいたヤブの道を進まないといけないことに、ちょっとした絶望感を覚える。

 


坂を下って、いざヤブの中へ。
まったく進めないわけではないが、少なくともヒザより下はまったく見えない。
それこそ、ヘビがいようものなら、かまれてもおかしくない。

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ここで役立ったのが、金剛杖。
そう、お遍路さんの格好で登山をしていたのだ。
杖を地面に強く突くことでヘビを牽制しつつ、目の前に何度となくあらわれるクモの巣も取り除ける。
もっといえば、クモの巣が見えなかったときでも、かぶっているすげ笠のおかげで頭や顔に巣がまとわりつくことを防げる。


とはいえ、ヤブをかき分けクモの巣と格闘しながら進むことは、決して快適なものではない。
もちろん、ひたすら登り坂なのでバテるし暑くなるし。
休憩する場所もなければ、立ち止まると今度は蚊が大量に寄ってくるので、ひたすらあるき続けるしかない。


何度も引き返すことを考えたが、引き返したところで宿までのバスを何時間も待たないといけないし、宿に戻ってもやることがないため、ここは意を決して進むことにした。

 


次回、最終回。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その5~

いよいよ手島のお遍路へ。

 


ブンちゃんの家に戻ると、ブンちゃんは作業服に軍手・カマを持った出で立ちでで待っていた。
なるほど、ただお遍路に同行するというよりは、遍路道の整備を兼ねるらしい。


また、あらかじめ用意してくれていたのが、お遍路の資料。
88箇所をあらわす島の地図と、石仏を1体ずつ撮影した調査資料だ。
すごい!
インターネットで調べてもこの島の遍路情報はまったくなかったのに、ここまで頼もしい資料が入手できるなんて。
特に後者の資料はPCで作った手作りのデータであり、他のどんな図書館でも手に入れることはできないものだ。
資料に感動していることに笑われながら、いざ出発。

 


まずは渡船乗り場まで移動し、そこから時計回りに海沿いの登山道を進む。
道は歩きやすく、きれいに整備されている。
初夏のころ、お大師さんの一環で島民が整備したという証拠である。

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とはいえ、あちこちにクモの巣があり、夏場に人の往来がなかったことがわかる。
ブンちゃんが先導して、これを棒で次々ととってくれるのがありがたい。
道を歩くと、ぽつぽつと石仏が見つかる。
石仏には枝葉を供えるのがここの流儀だと、わざわざ供えるための枝葉をマー坊が差し出してくれるのもありがたい。

 

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40分ほど歩き「高須」と呼ばれる海岸に出て、休憩をとる。
汗ダクでバテバテの僕に対し、僕の父親ほどの歳である2人は、ほとんど疲れを見せない。


なお、巡路どおりだとここから海岸沿いを南下するわけだが、潮が満ちてきており危険だと断念する。
ここは泣く泣く、引き返すことに。
おそらく1人だったら、ムリしてでも行っていただろう。
でも、島民の2人が口をそろえてダメだというのだから、行けばとんでもない事故になっていたはずだ。

 

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いったん集落に引き返してからは、集落内の石仏をいくつか巡った後、昼食タイム。
マー坊は自宅へ戻り、僕はブンちゃんの家へ招かれる。
といってもごちそうされるのではなく、昼食は米とワンバーナーを持参していたので、庭で自炊する。
「ビールでも飲むか」と、ここでもビールをいただく。
昼からの体力や脱水症状が心配ではあるが、がっつり汗をかいた状態でビールを出され、断るわけがない。

 

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2時間のブランクの後、マー坊の自宅でマー坊と合流し、再スタート。
「手島池」をすり抜け、山道を進む。
ここは午前中の道よりも、さらにクモの巣が多い。
途中で道標のない分かれ道があるのだが、まったく迷うそぶりもなく突き進む2人が、何とたくましいことか。

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やがて急な下り坂を進んだところで、「あでの浜」へ出る。
ここではマー坊が持ってきてくれたバナナをいただき、休憩をする。
港から離れていることもあってか、プライベートビーチ感が強く、とても静かで落ち着く。

 


休憩が終わってからは、浜を少し進んでから山へ入る。
この登り口には何の目印もなく、1人だったらまず見つけられないだろう。

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ここからはしばらく、竹林が並ぶ。
太くしっかりした竹で、ここのタケノコはかなりおいしいそうだ。
また、竹があるのは昔ここが畑だった証拠だと、マー坊が教えてくれる。
なかなかの山道なのに、ここにわざわざ畑を作るということは、昔は島に相当な人がいたのだろう。
こうして島の歴史を感じられることも楽しい。

 

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島の西部、午前中にマー坊と来た「西浦」に出たところで、山歩きは終了。

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順路ではさらに海岸沿いを歩かないといけないのだが、今からだったら日が暮れてしまうとのこと。
ブンちゃんの家に戻り、ビールでノドをうるおす。


2人はずっと島にいるわけでなく、かつて都会で働いたのちに島へ戻ったそうだ。
なるほど、言葉のなまりが少ないのは、そのせいだったのか。
島の話だけでなく、それぞれ都会にいたころの話などに華を咲かせる。

 


最後は、集落にある石仏をいくつか巡り、渡船乗り場へ戻る。
まる1日行動し、旧知の仲のように振る舞ってくれた2人とも、ここでお別れだ。
あふれんばかりの感謝をありのままに伝え、固く握手を交わす。

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乗船し、最後は甲板で大きく手を降る。
2人もそれに応じてくれる。

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2人の姿が見えなくなったころ、じんわりと目頭が熱くなる。
感動なのか、感謝なのか。
自分でもよくわからない感情で、心の中が熱くなる。
今までいろんな旅をしてきたが、こんな気持ははじめてだ。

 


そんな感じで2日目を終えたところで、つづく。
夕食のくだりとかは割愛。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その4~

離島旅、2日目。

 


午前5時半という早い時間に起きたのは、夜ヒマで早く寝たせいではない。
隣の手島へ渡るための、第1便の渡船に乗るためだ。
これを逃すと次は昼まで渡船が来ない、というのが離島の厳しいところ。
船の出る江の浦まで宿のご主人に車で送ってもらい、いざ手島へ。

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手島というのは、周囲10キロ・人口20人ほどの小さな島である。
ここでの目的は、やはり島遍路。
島自体が小さいうえ、集落のあるエリアはさらに狭い。
事前の情報で「石仏は集落内にある」と聞いていたので、もしかすると数時間ですべて周れるかも知れない。

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手島の港へ降りると、まずは石仏の場所を調べるべく、案内板を見る。
残念ながら、石仏のことは書かれていない。

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情報がないままどこから巡るべきか迷っていると、待合所の椅子に座っていたある男性から声をかけられる。
どうやら島の方らしい。
お遍路しに来たことを伝えると、「1番なら案内できる」と僕の返事を待つでもなく、歩きだす。
ついて行くと、港のそばの少し奥まった場所に小さな祠があり、そこに1番が安置されている。
案内してくれなければ、ここが1番であることは気が付かなかっただろう。

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「島の会長に聞いてみたら他の場所わかるかも」
と、今度は島のえらいさんのお宅まで案内してくれる。
残念ながら会長さんがいないとわかると、今度は副会長のお宅へ。
チャイムやドアノックなしに、まるで我が家のように敷地内に入っていくさまは、いかにも離島らしい。

 

副会長は男性とほぼ同年代で、60代なかばくらい。
男性にお遍路の話をひととおり話し「いっしょに周ったってや」と頼まれると、「準備するから9時に来て」と返答する。

 

不思議である。
まったくアポもとっていないのに、2人ともまる1日の時間を、見ず知らずの旅人に割いてくれるのだ。
しかも、それが当然のように振る舞ってくれる。
(以下は便宜上、はじめの男性を「マー坊」、副会長を「ブンちゃん」と記載)

 


待ち合わせまで時間があるので、マー坊が島の対岸にある「西浦」へ案内してくれる。
歩いている最中、島の情報をいろいろと教えてくれる。
島は小さいながらも、12もの集落に分かれていること。
島の人口は減っているが、うまいこと各集落に住民が残っていること。

 

また、お遍路文化がこの島を支えていることも。
年に2度「お大師さま」というイベントがあり、島内のお遍路の石仏を巡る。
石仏のある場所ではお接待があり、お菓子などが振る舞われる。
島遍路の残る離島ではよくあることだが、年に2度というのは珍しい。
また、島内にある88箇所の石仏とその界隈の道を、集落ごとにパートを分けて手入れしている。
なお、石仏は集落内だけでなく、島をぐるっと取り囲むように安置されているそうだ。

 

西浦までの道には、ひまわり畑もある。
残念ながら枯れてしまっているが、実に数多くのひまわりが広範囲に植えられている。
これは天然のものではなく、島民が1本ずつ手作業で、毎年植えているそうだ。
離島を訪問する人が見て、喜んでもらうためだとか。
なるほど、僕を案内してくれる2人が僕を受け入れてくれているのは、島に根付くこうした「お接待」の文化によるものなのかも知れない。

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西浦には、やや狭めの海岸が広がる。
砂浜ではなく、砂利というのが珍しい。
かつてはこの海岸も、もっと広かったそうな。
今は人影がなく物静かだが、夏場にはそこそこの観光客が姿をあらわすそうな。

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西浦を後にし、まだ時間があるのでマー坊の自宅へ。
ビールをいただき、家の前でしばらく談笑をして時間をつぶす。

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さていよいよ、ブンちゃんと合流し、お遍路開始。
というところで、つづく。

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その3~

閉ざされた道に阻まれ、一時的に退路を余儀なくされた、つづき。


いったん三叉路に戻り、今度は真ん中の道を進む。
この道は他の道とは違い、舗装されている。
舗装といっても、メンテナンスはされておらず、雑草やら落葉に侵食されていてきれいではない。
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ひたすら登り坂を進むと、やがて道が草で閉鎖される。
そこを乗り越えると広場があり、大きな岩肌が目の前に立ちはだかる。
採石場跡だ。
屋根のついた作業所跡には、工事用看板や作業用具などの遺構が残る。
廃墟好きとしては、最高の光景である。
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何より、そこから見下ろす海の景色もすばらしい。
まわりに誰もいなく、ただ静かに離島を全身で感じる。
本当は採石場跡は危険なので、足を踏み入れることはNGなんだけれど。

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下山し、今度は39番に延びる道へ向かう。
途中で小さな養鶏場があり、そこにいたおじいさんに呼び止められる。
お話の好きな方で、この島のことをいろいろと教えてくださる。

ひととおりお話が終わったところで、39番の場所を教えていただく。
聞いたとおりに進むと、竹林に囲まれた細い登り坂が続く。
ここも道が険しいと聞いていたが、先ほど断念した道のように草をかき分けるほどではない。
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20分ほど登ったところで、広場と祠があらわれる。
こここそ、39番だ。
この1箇所が見つかっただけでも、わざわざこの島に再訪した価値はある。

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車で宿に戻り、汗を流したら夕食どき。
すると宿のご主人が、サービスだと料理を持ってきてくださる。
骨付鳥・海藻もずく・小魚三杯酢漬けの3品。
あと主食があれば、じゅうぶん夕食として成立する分量だ。
一応確認だが、ここは「素泊まり」の宿である。
オフシーズンということもあるのだろう、あふれんばかりのサービスにただただ感謝である。
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とはいえ、わざわざ買い込んだ食材を腐らせるわけにもいかず、自炊もする。
作ったのは次の3品。

かつおのたたき
ブロックを切って、ねぎをまぶしただけ。
自炊といっていいのかどうか・・・

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・牛肉となすの甘辛焼き
牛肉となすを、しょうゆ・砂糖・日本酒で味付けしてフライパンで焼いたもの。
うまいのはうまいが、牛肉となすの相性がイマイチ。
とうがらしでピリッと辛さをきかせたら、ビールや日本酒のアテにはしまるかも。

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・山いものチーズ焼き
山いもにしょうゆ・カレー粉をかけ、フライパンで焼いたもの。
最後は火を止め、とろけるチーズを乗せて予熱で溶かす。
うまいけど、しょうゆではなく塩コショウのほうが相性がいいだろう。
BBQに応用できそうだ。

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テレビもなくご近所さんの生活音もない静かな空間で、ただただお酒を飲みながら心を洗浄して過ごし、やがて睡魔がやってきたころに就寝。
長い長い1日目が、こうしてようやく終了を迎える。

 

 


つづく。
もうちょい書くペースあげないとあかんかな?

さぬき広島・手島遍路と旅ねこ生活~その2~

1日目の行き先が定まった、さぬき広島旅の続き。


目的である36・37・39番があるのは、いずれも「釜の越」という集落。
そこまで行くために、わざわざ宿の方が車を貸してくれた。
宿泊施設だというのに、無料というのが驚きだ。
離島で、自分で運転して車移動ができるなんて、夢のようである。
交通量のほぼない道をゆっくり10分ほど走り、「釜の越」へ到着。


まずは36・37番を目指す。
前回島に来たとき、途中ある三叉路からそれぞれの道を進んだのだが、いずれの道も奥深く延びていたし、その先に石仏がある保証がなかったので、断念した。

というわけで、三叉路までは迷わず到着。
右手は採石場へ続くとわかっているのでパス。
まずは左手の道を進んでみる。

すると数分で行き止まりになる。

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しかし奥には、うっすらと道っぽい茂みがある。
思い切って進んでみると、意外にも草の少ない箇所が多く、先へと進める。
途中に人工的に重ねられた岩やガードレールがあらわれ、先に道が延びていると確信が持てる。

とはいえ、道はどんどん険しくなる。
心が折れそうになりながらも、まだ時間はあるしゆっくり進もう、と自分に言い聞かせ、草木をかいくぐって少しずつ進む。
だいぶ粘って進んでみたが、しまいには草ではなく木に道が塞がれてしまう。
さすがに木はかき分けようがないので、ここで前進を断念する。

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引き返す途中、さらに道が分岐していることに気がつく。
もしかして、こちらも石仏がある道か?
思い切って進んでみると、石垣が見つかり、やはり何かしらに通じるのだろうことがわかる。
が、ここも奥へ行くと道が険しくなりすぎていて、進むことができない。

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つづく。
小刻みな日記でごめん。