この空き地は、かつて空き地であった。
写真にある空き地は、昔住んでいた家のすぐ裏手にあった土地である。
住んでいたころは、空き地であった。
家を引っ越してしばらくすると、ここが畑になっていた。
一面が畑となり、思い出がなくなったなあ、と嘆いていたものだ。
それが最近、畑が整地され、再び空き地となっている。
その事実をSNSで知り、改めて今日見に行った。
なつかしい!
昔と土の盛り方は違うが、昔の記憶が蘇ってくる。
ここの角で野球をやったなあ。
あのへんに、やたら四つ葉のクローバーがとれる場所があったなあ。
溝がV字型に欠けていて、男性便器と見立ててよく小便をしたなあ。
夏場は夜の虫の鳴き声が、うるさかったなあ。
しばらく立ちすくんで、ずっと広場を眺めていた。
通り過ぎたご近所さんに、怪訝な目で見られていることも感じながら。
「なつかしい場所」ってたくさんあるけれど、この空き地は特に思い出がべったりへばりついている。
そして、この空き地が間もなくして宅地となる事実。
うまく言葉にできない。
いろんな感情が、心をぐるぐると走る。
ちょっとおセンチなこの気持は、梅雨のせいにしておきたいな。