キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

カキづくめ・離島づくめ、日生旅!~前編~

いかんせん寒さが苦手なので、冬に外出することは極力避けていた。
が、最近はふらふらとでかける機会が多い。

先週の3連休も例外ではなく、連休のうち前半の2日間、旅行をすることにした。
冬といえば、景色よりも食べ物。
ということを焦点に当てると、「カキ」以外の選択肢が出てこなかった。

というわけで、カキのメッカである日生へと旅行をしてきた。


【五味の市】
駅へ降りるや、まさかまさかの無人駅。
厳密には、時間帯により駅員さんがいたりいなかったりするようだ。
当然、自動改札すらない。

駅のすぐ前には港が広がり、すぐ隣に観光案内があるも、それ以外はこれといった目立つものはなく、ただただ田舎に来たな、という印象である。
カキで名前が売れているのだから、もうちょっと観光地化されていてもよいものなのに。
まぁ、個人的には静かであるほどよいのではあるが。

駅から歩くこと10分、「五味の市」という市場に到着。
名前のとおり市場になっており、半数くらいのブースでカキが売られている。
しかも、岩ガキが15個くらい入って1,000円と、よそでは到底考えられない相場である。

うれしいのが、道をはさんで向かいにある「道の駅」で、買った商品をBBQして食べられるということ。
1,000円を払うと、軍手・トング・網などを貸してもらえ、指定されたテーブルではすでに炭がおこった状態で、いつでも食べられる状態になっている。
ポン酢などが有料なのであるが、先客が残りを放置してくれているので、わざわざ買う必要はない。

ということで、早速カキをいただくことに。
でかっ!
あらためて見ると、カキの1つ1つがでかい。
そして、うまっ!

あらかじめ持ち込んだビールとともに、無我夢中でカキを食べ漁る。
もともとカキ好きなので、決して食べ飽きることはない。
が、よそのテーブルで肉を焼いているのを見ると、ちょっと肉とかもほしいなと思う。


【離島・大多府島】
この旅行のもう1つの楽しみは、離島めぐり。
特にあまり有名でない離島は、昔から大好きである。

日生から定期船で30分、大多府島へと到着。
たいがいの離島には、「ようこそ○○島へ」と書かれたアーチがあったりするものだが、そんなものはまったくなし。
ただただ、静かで素朴な風景があるのみである。

おそらく集会所も兼任しているのであろう、案内所の建物へ入る。
無人の建物の中には、島を案内するための手作りの地図が、すっかりラミネートがはがれた状態で置いてある。
これらは、最後に返しさえすれば、自由に持ち出していいらしい。
ヘタにデフォルメされてわかりにくい地図よりも、こういう地図のほうが味があってよい。

海岸沿いを歩くと、いつしか山道となる。
そう勾配が強いわけでなく、海が近く感じられ、散策するには快適な道である。
ときおり置いてある仏像は、どうやら島に88体あるらしく、小さくお遍路ができるそうだ。
ただ、人気のない道の要所要所にアンテナとセンサーが張り巡らされていることに、やや不気味さを感じる。

しばらく歩き、分岐道を海側へ進むと、断崖を下る急な坂道となる。
下りきった先には、波によりえぐられた洞窟が姿をあわらす。
勘三郎洞窟」といって、同名の人が江戸時代に藩札を偽造していたという場所である。
偽造をしていた形跡などが残っているわけでないが、両側を断崖に囲まれた光景が、ただただ幻想的である。

そこから定期船乗り場へと戻ったわけだが、そこそこ民家が密集しているというのに、終始島は静かであった。
日常の暮らしでは、何かしら「騒音」に囲まれているということに気がつかされつつ、たまにこういう環境に訪れることのよさを感じた。

長くなったので、続きはまた。