キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

さよなら、5年間ありがとう

皮肉にもそこは、昔かよった大学の最寄り駅。
昔はここを、共に歩いたものだ。
大学時代に知り合ったヤツを待つ10分間は、妙にノスタルジーで、少し傷心を感じた。

すべては、別れのために・・・


きっかり約束の午後1時、前方から走ってきたのは、大学時代の友人・GORI。
仕事が忙しい彼と会うのは、ここんとこ大晦日のみ。
地元のツレでもないのに、なぜ大晦日にのみ会うことになったかは、当人同士もよくわからない。

見慣れぬスーツ姿のGORIは、あいさつもそこそこに、僕の車を隅から検査しはじめた。
さすがは査定士、ふだん遊んでいるときとは、目の輝きが違う。
まぁプライベートな僕に対して、彼は思いっきり就業時間やし。


ひとしきりの査定後、こんどは書類作成。
言われた金額は、大満足もなく、不満もない。
すべては彼を信用し、一任したものだから。

我が家で5年も、ファミリーカーとして活躍してくれた、プレミオ君。
業者をまわって高く買い取ってくれるところを探すつもりだったが、おそらく1日仕事になるだろうし、1日かかったところで5万も10万も浮くわけではない。
そういうことを先日GORIに相談していたら、中古車屋に働くGORIが、ほぼボッタクリなしで買い取ってくれると挙手してくれたのだ。


すべての作業が終われば、しばらく大学時代トーク。
昔とちっとも変わらない、駅前の光景は、おのずと昔話を引き出してくれる。
学生時代は、どんな話で盛り上がっていたのだろうか?
ということを思い出しながら、歳相応の男2人のトークは、ついつい時間を忘れてしまう。

が、次のアポイントがあるGORIは、30分そこらで退散。
もちろん、プレミオ君を乗って行った。
車が見えなくなるまで手を振ったのは、申し訳ないけれど、GORIにではなく、プレミオ君にだ。

購入するとき、僕が選んだわけではないし、僕のお金ではない。
実質、僕はほとんど運転していない。
けれども、妙に愛着があった。
モノに感情移入してどないすんねん、とは感じながらも、失う悲しみを覚えるてしまうのだから仕方がない。


悲しいとか言いながらも、数時間後には次の車を探しにまわっていた僕は、少し冷酷なのだろうか。