キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

きになるひと

会社帰り、ビルから駅への渡り廊下に、気になる人がいた。
外国人で、何やら文字を書いたダンボールをかかげて直立不動でいる。
近づいて足を止めるには、あまりにも気がひける。
とはいえ、気になりすぎるので素通りもできない。


とりあえず文字の読める距離まで近づき、歩を止めることなく横目で確認してみた。
「世界中を旅をしていて、お金が尽きました。」
といったタイトルだけ確認でき、その他ダラダラと書かれた言葉はさすがに確認できず。

 


ううむ、複雑。


個人的に、困った旅人がいれば全力で手助けしたくなる。
なぜなら、若かりしころさんざん貧乏旅をして、たくさんの人に助けてもらったからだ。


一方、やはりどうしても「うさんくさい」という感情が消えない。
なぜ外国人やのに、こんな流暢な日本語をダンボールに書けるの?
なぜ梅田とか繁華街ではなく、こんなビジネスマンしか往来しない地味な道に立つの?
なぜ近くに行ってもニオイがなく清潔でいられるの?

 


もっといえば、実はこれとまったく同じことをしている人を、まったく同じ場所で、1年ほど前にも見た。
間違いなく本人だろう。
なぜ1年も大阪に居座ってられるの?
なぜ1年もおって、働いてお金を作ろうとしないの?


まぁ、ダンボールの文章を全部読んでいないので何ともいえないし、もしかしたら「カンパで世界一周」みたいなジャンルの旅をしているのかもしれない。
けど、何だろう?
さんざん旅で人に助けられた僕が言うのもあれだけど・・・
不特定多数の人に、自ら同情を乞うて旅するってどうなん?
何かこう、旅人としてちょっと違うなって思ってしまう。

 


自分の中のモヤモヤを消すためにも、とりあえず明日いたらじっくりダンボールの文字を読んでみようか。
で、目が合ったらダッシュで逃げよう。