キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

弾丸!廃墟ツアーin長崎~後編~

長崎遠征、2日目。


【S炭坑】
午前中に向かったのは、S炭坑という廃墟跡。
I島ほどではないが、炭坑としてかつて栄えた場所だそうな。

到着するも、古い煙突やちょっとした残骸はあるものの、いまいちぴんと来ない。
近くにあった資料館で案内を聞くと、どうやら数年前に大規模な取り壊しが行われたそうな。


【S小学校】
それでも、何とか来た証を残したい。
手探りでいろいろまわっていると、丘の上に1つの建造物を発見。
手元の資料から察するに、そこが小学校の跡であることがわかる。

が、いかんせん道がない。
丘のふもとに新しい公園や住宅地があるので、開拓の際に道はふさがれたのであろう。

スマホをフル活用すると、どうやら藪の中を突入しないといけないらしい。
それらしき藪は見つかり、いざ突入。
先の見えないしげみをかきわけるさまは、まさしく宝探し。
普通の山なら遭難もしかねない状態でも、誰も後戻りを考えない。

30分だか1時間だか、ようやくたどり着く。
こんなサバイバル突入は、久しぶりである。
この苦労があったことも手伝い、学校のその造形が一段と美しく感じる。

中はがらんどうながら、植物が床から生い茂るさま、ガラスのない窓からは絵画のような木、屋上からの景色には一同悶絶。
ただただ「美」という象徴だけが、そこにあった。

屋上から、学校へかんたんに往来できる道を発見したときは、なかば拍子抜け。
先ほどのサバイバルは、何だったんだろうか。

車に戻ったその瞬間、強い雨が一気に降り出した。
奇跡的なタイミングに、ただ喜ぶばかり。


【長崎ちゃんぽん】
S小学校をあとにしてからは、昼食。
長崎市街から2時間近く離れた場所だったので、市街へと向かう。

せっかくなので、長崎ちゃんぽんが食べたい!
そんな願いのもとお店を探すも、国道だというのに、そもそも食堂らしきものがない。

ようやく見つけたと思えば、臨時休業だったり閉店していたりと、肩すかしをくり返す。
市街地にしかない食べ物の何が名物やねん!とぼやきつつも、ようやく「東角」というお店を見つけたのは、午後2時前。

ガイドブックに載っているお店は1,000円台がざらなのに、ここは600円。
値段の割にボリュームは満点、具の野菜類もたっぷり。
ひと口食べると止まらないさまは、決して空腹だからという理由ではなく、その味のクオリティによるものである。


あとは土産屋をあさり、帰宅。
強行スケジュールに不安だらけだったが、フタを空ければとても思い出深い散策となった。
わざわざ遠征してよかった。

さすがに値段のことが気になるので、遠征ばかりというわけにはいかないだろう。
ただ、確実に散策の手段を1つ得たわけであり、ネタ切れが懸念された散策の大きな経験値となった。

しばらく散策にはきびしい季節になるが、今のうちに次の候補地を調べあげたいところである。