「淡路島へ行ってきた」
というと、
「キックボードで?」
と返ってくる。
理想どおりのキャラ作りに成功していることを噛みしめつつ、今週末のお話。
淡路島へ、廃墟とグルメをたずねて行ってきた。
以下、項目ごとに。
※廃墟の場所など詳細については、「廃墟マナー」としてお教えできかねますので、ご了承ください。
【廃展望台】
世界最大の高さを誇る、ある特徴的な形をした建造物。
一見して、それが展望台であることなど、誰も気がつくまい。
そんな廃墟を訪ねるべく近づいてみると、そのふもとに不可解なものが。
まずは、本物と比較したらミニチュアだが、そこそこの高さがある、自由の女神。
広場の隅に無数に並べられた、仏像。
そして、本物の機関車、D-51。
ここが廃墟ではなく、現存する施設だとしても、B級スポットとしてじゅうぶん魅力的である。
いざ、建造物に突入。
残存物が多いこともさながら、荒らされた形跡がないことと、廃墟独特のホコリっぽさがないことが、廃墟として特A級。
「台座」といわれる5階までのフロアは、どこからも絶景が眺められる広いスペースとなっている。
そこから、展望台である地上100mまでは、もちろん非常階段を使う。
途中から漆黒だし、鳥の死骸が転がっているし、とても1人では登ることができない。
ただ、最上階にたどり着いたときに広がる絶景を見ると、すべての苦労がリセットされる。
維持できる人がいないことは仕方ないだろうが、あまりにもったいなさすぎる。
何とか、復活できないものだろうか。
【D工場】
瓦工場の跡地。
見た目は新しく、まだ稼働していると思いきや、入ってみると廃墟状態。
頭上に流れる無数のコンベア、壁に点在する制御装置、製造途中で置いてきぼりにされた瓦の残る空間を、夕日がさす・・・
歩くごとに風景が変わるさまは、工場好きならずとも、心をうたれることだろう。
無名の工場ながら、ここまでアタリだったとは。
特A級。
【廃砲台跡要塞】
淡路島から少し離れたところに、N島という小さな無人島がある。
縦に長い形状をしていて、南北にそれぞれ小高い丘がある。
まずは南へ行き、散策地としては整備されていない、明らかに道の跡とわかる場所を突入。
両手両足を使い、ヤブをかき分け、足場の不安定な獣道をよじ登った先に、人工物がある。
すでに倒壊しつつも、レンガとコンクリートで形成されているそれは、砲台跡。
この日本という国で、本当に戦争という行為が行われていたことを証明する、動かぬ証拠である。
見栄えこそないものの、どんな廃墟サイトにも紹介されていないレアさと、アスレチックな要素を加味して、Bランク。
北は、遊歩道として整備された道を登って、展望台。
ここには、案内板とともに砲台跡が残っている。
廃墟としての面白みには欠けるものの、展望台からの光景は、天橋立を連想させる美しい景観が広がる。
淡路島はだいたい廃墟散策し終えた、と思いきや、こんなにも良物件がとり残されていたとは。
掘り起こしたら、もうひと物件いいところが見つかるかも。
ほんと、魅力的な島である。