特に予定のない土日に、ふらっと山奥の温泉宿に泊まり、特に何をするでもなく過ごす。
そんな休日の過ごし方が、かねてからあこがれていた。
仕事がひと段落し、リフレッシュしたい。
ちょうどいいタイミングなので、いっそ理想どおりの休みを過ごしてやろう。
場所を選定しているうちに、「ホンマに温泉だけで大丈夫か？」という疑問が残る。
どうせなら何か1つや2つ、目的があったほうがよいのでは？
ということであれこれ調べているうちに、結局のところミニ遍路めぐりをすることとなってしまった。
まぁ、目標は違えど、リフレッシュという目的には変わりない。
ちなみに前日は会社の飲み会で、終電を乗り過ごして午前さま。
4時間ちょっとの睡眠時間ながらも、予定どおり午前7時前に起床し、支度をしてから車で外出。
2時間走って道の駅で休憩し、さらに30分走り紀の川市へ到着し、はじめの目的である「百合山新四国八十八箇所」へ。
詳細は後日書くとして。
意外に歴史が深く、1箇所ずつしっかり造られてており、風景も変わりながらも2時間半。
これで1日が終わっても後悔しないだろうというくらい、満足の行く巡礼となった。
ただ、時間がかかったのは大誤算で、昼食どきを過ごす。
せっかくなので和歌山ラーメンが食べたかったが、周辺のお店はお昼タイムがすぐに終わったり、臨時休業だったり。
結局、聞いたこともないチェーン店のラーメン屋へ。
しかも和歌山ラーメンではなく、普通のとんこつラーメン。
味も普通で、なぜラーメンしか選択肢なかったのか、自己嫌悪に陥る。
ちなみに、少しでも早めに食べようとあせっており、運転が荒くなっていたことは大反省。
途中で冷静になれたが、ドライバーとしてあせりは禁物である。
お腹を満たしてからは、海南市へ。
ここではナビの設定を誤り、時間をロスしてしまい、またしてもあせってしまう。
ようやくたどり着いた禅林寺に到着し、ここにある「新四国八十八箇所」へ。
1軒目とは異なり、わずか30分で巡礼終了。
市街地近くなので、常に車の音が聞こえることは残念だが、しんどすぎない適度な山道散策ができた。
ちなみにこの「禅林寺」は、「高野長峰霊場」という巡礼寺の1番となる。
全10箇所からなるこの巡礼も、今回の旅の目標である。
そこから車で移動し5分、2番「蓮花寺」を巡ったのは午後4時半。
もう1箇所寄ろうかな、と車を走らせているうちに、あたりはどんどん暗くなる。
あまり暗くなってお寺行くのも気が引けるし、夕食前にゆっくり温泉に浸かりたい。
ということで、巡礼は切り上げ、宿へ向かうことに。
宿へ着いたのは午後5時半。
あたりが真っ暗なのは、この季節柄というのもあるが、天気が悪いせいでもある。
チェックインするや、すぐさまお風呂へ。
実はここ、かつて大学時代に「日帰り温泉」へ入りに来たことがある。
おそらく1度来たのみなのだが、ロビーから温泉入口へ向かう造りを、かなり鮮明に覚えている。
若いころの記憶とは、恐ろしいものである。
お風呂は露天があり、冷たい外気とお湯のぬくもりを感じられる。
ただ残念なのは、すぐ先に川が流れているのに、塀で風景が完全に遮断されている。
意図はわからんでもないが、少なくとも男風呂にはいらんだろ。
ちなみに、ここは現在、温泉ではないそうな。
というのも、平成22年の水質検査で、温泉とうたうために必要な成分が、わずかに足りなかったとのこと。
それでも、お風呂上がりのポカポカが長く継続するあたり、そんなこと気にする必要はない。
そしていよいよ、会席の夕食。
お風呂上がりに会席だなんて、何てぜいたくなんだ！
ふだん安い素泊まり宿しか泊まらないので、余計にそう感じる。
しかし、食事はとても残念。
お造りに鮮度は感じられず、川魚の焼き物ははじめからテーブルに並べられていたためか冷めており、天ぷらも居酒屋レベル。
おそらくぼたんだろう、小さな鍋が唯一のアタリだった。
これで1泊1万円超えというのは、申し訳ないがちょっと高く感じる。
食後、もう一度お風呂につかり、いよいよ部屋で自由時間。
晩酌用に、ビール6本、日本酒4合、スコッチ1本持ち込んでいる。
が、突然襲われた睡魔に勝てず、午後9時という速さで撃沈。
やはり前日にじゅうぶんな睡眠をとれていなかったことが、大きな要因か。
あとは、お風呂の効果か。
ちなみに、部屋はビックリするくらいたばこ臭かった。
喫煙部屋しか空いていないのと、今まで喫煙部屋でもそうにおいを気にしなかったこともあったのだが、ひどすぎる。
服はおろか、翌日乗り込んだ車にさえ、においがうつるほどのひどさだ。
と、ちょっとお宿の悪いことをいろいろ書いたので、あえて宿の名前は出しませぬ。
ちなみに翌日は、朝から雨。
こんな天気に無理して巡礼する必要もないだろうし、まっすぐ家に帰ることにした。
