キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

「古さ」という新しさ、新梅田食堂街

まさしく、灯台下暗し
梅田は駅前に飲み屋がない、なんてことを、15年はぼやいていた。
何ともまぁ、もったいないことをしただろうか。


肥後橋で飲もう!」の二日酔いを抱えたまま、何とか業務をこなした金曜日。
あつし君に飲みに誘われ、先に梅田へ着いた僕が、お店を探すことに。

東通まで行くと帰りが大変やし、どうしたものか?
と思いながら、とりあえず繁華街方面へと足を運ぶ。
そこで目にしたのが、「新梅田食堂街」という標識。
まぁ、基本梅田で飲むときは、たいがい目にするのだが。


軽く説明すると、JRの高架下にある食堂街。
小さなお店がひしめきあっている。
ちらっと見える風景から、「くたびれたサラリーマンが集う場所」という陰気なイメージがあったので、今までずっと敬遠していた。

しかし、JR駅ビルの改装をきっかけに、人通りが増えてえらい繁盛している、ということを小耳にはさんでいた。
どうせ男2人やし、こういう場所でもいいかな~、と足を踏み入れてみたのだ。


広っ!
想像以上に店舗が多いことに、まずは驚き。
案内図を見ると、なんと100店舗以上もある!

そして、ジャンル広っ!
立ち飲み屋があれば、小料理屋あり、中華あり、鉄板焼きあり、バーあり、パブあり・・・
中には、お客のほとんどが若い女性客、なんてところも。
古い例えで申し訳ないが、まさしく飲食屋のテーマパーク、である。


相当目移りし、雰囲気だけで選んだのが「たこ梅」という関東煮(かんとうだき)というお店。
まぁ、おでん屋さん。
厨房のまわりにカウンターがぐるっと設けられた、一杯居酒屋にありがちなスタイルである。

まずは、お店の人がゴリ押ししてくるお店の名物、「たこ甘露煮」をいただく。
うまっ!
会話の途中なのに、どうしてもこの「うまっ!」という言葉を言わずにはいられない。
しっかり甘辛く味付けされ、たこ本来のやわらかさを保っている。

おでんも、大小さまざまな具がある。
1品ごとに新しいお皿に乗せてくれたり、食べやすいように切れ目を入れてくれるのは、はじめて見る配慮。
煮込みすぎてはいけないものは、注文してから煮るというこだわりもある。

この文章を書いていながら、だ液の分泌が止まらないあたりに、味の評価はご想像いただきたい。
こんなわかりやすい場所にもかかわらず、ひっきりなしに客が回転するのも、じゅうぶんうなづける。


前日の飲み疲れがあり、正直ちょっと元気なかったことは、あつし君には申し訳なかった。
そして疲れたテンションのさなか、こんなほっこりできるおでんを食べたのでは、完全にテンションもオフになろうもの。
バカ騒ぎはもちろん大好きだが、たまにはこんなスローな飲みもいいものだ。

新梅田食堂街・・・
また1つ、触れてはいけないパンドラの箱を開いてしまったようだ。