ちょっと前に触れた、微妙におかしいためにイラっとする日本語。
勝手に、「虫酸(むしず)語」と読んでいるものがある。
特に最近耳にささるのが、「~さしていただきます」みたいな感じのやつ。
それの犯人が、わかった。
テレビの、字幕スーパーである。
あるお笑いタレントが、上記の「~さしていただきます」という文言を使ったのだが、それをそのまま、活字にしていたのだ。
いやいや。
字幕スーパーって、話し言葉と活字を、うまく折衷するためのものではないのか?
ニュースなんかでは、「ら抜き言葉」を訂正したり、主語の抜けをカッコ書きで補ったりしているのに。
バラエティになったとたん、そんなん無視ですか?
そして字幕スーパーのおかしさは、さらにエスカレートしている。
といっても、細かいところなんだろうけれど・・・
例えばよく見るものでは、
「~が1番好きです」みたいな用語。
これは、活字としては間違いである。
というのは、「1」は漢字を使わないといけないのである。
ここでの「一番」というのは、別に順位をあらわしているのではなく、慣用的な熟語として使われているのだ。
「二番好き」とか「三番好き」とかいう言い方はしないことからわかるとおり、「一」が数字として使われていない。
こういう場合、漢字を使うことが決められているのだ。
そういう常識を、少なくとも人に見せる文章を扱う人なら、誰しも知っているはずである。
ましてテレビという、老若男女、多くの人に影響をおよぼす媒体で、何をアホみたいなミスばっかりしてんねん。
こんな不景気というご時世においても、マスコミ業界の人の給料は、高いと聞く。
それが事実なら、本当に許されないことである。
それに見合った技術をフルに活用してほしい。
できないのなら、文章の校正を外部に委託するなど、できるはずである。
日本語の「日本品質」を保てなくなっては、この国も本当に終わりになりそうで恐い。