キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

年末・湯原温泉終末ツアー2019 ~その1~

連休2日目は、すっかり年末の締めくくりの行事となってしまった、GORIとの男2人旅。
例年とは違い、なぜか去年は1か月前から行き先を決め、寄り道先も下調べした。
行き当たりばったりでグダグダになるという流れも好きなのだが、そうなると結果的にGORIに行き先を委ねてしまってしまうので、僕なりの気遣いのようなもの。
まぁ、下調べできる時間的余裕が僕の方にあるので、やって当然でもあるのだが。


で、今回の行き先となったのは岡山の湯原温泉
岡山の北部で、鳥取に近い場所にある温泉地である。
GORIの車の事情で雪の降る地域は例年避けていたが、今年は暖冬だということが場所選定の決め手の1つ。


前置きはこのくらいにして、本編をダラダラと書きます。

 


【出発】
午前9時、わざわざGORIが我が家まで迎えに来てくれ、出発。
今年は夏に1回会っているとはいえ、しょっぱなから双方とも怒涛の会話ラッシュ。
録画なんかしていたら編集しても楽しいだろうなぁ~、と思える反面、とても一般公開できた内容ではない。


途中サービスエリアに停まり、休憩がてらお互いにお土産交換。
「こんなんもらってどないすんねん!」というモノを渡し合うさまは、もう中学生のノリだ。

 


【グルメ:津山ホルモン「橋野食堂」】
まずは腹ごしらえのために、津山で下車。
向かった先は、津山ホルモンの有名店「橋野食堂」。
30分ほど並んでのれんをくぐると、意外にも狭く、昔ながらの食堂の風景が広がる。

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細めのうどんに大ぶりのホルモンが散りばめられ、もう見た目がうまそうだ。
味噌の甘辛さが絶妙で、もやしのシャキシャキ感がよいアクセントになっている。
個人的にホルモンは悪質なものがニガテなのだが、ここは良質で本当にうまい!

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ホルモンうどんとは別に、ホルモン単品も2人前追加した。
もやしが多めに入れられているとはいえ、やや味が濃い目で、ごはんかビールが欲しくなる。
というか、さすがにおっさんの胃袋にはちょっと量が多すぎた。
また、いくつか飲むタイミングのわからない固いホルモンがあり、アゴが疲れる。

 


【廃墟:津山Pホテル】
食後のデザートは、廃墟散策。
津山の有名な廃墟であるPホテルへ。
外観からして建物の古さがにじみ出ている。
壁はスプレーの落書きだらけというのが、残念なところだ。

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正面玄関から入ると、受付に無数の観光パンフレットなどが残る。
カウンター裏の足元には岡山の観光に関する文献が多数あり、ホテルマンの仕事裏を垣間見ることができる。

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1回のロビーを抜けると宴会場。
赤いじゅうたんは荒廃がひどく、天井も垂れ下がっている箇所が多数。
天井のシャンデリアだけがきれいで、今でもどこかで流用できそうだ。

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3階の客室は、意外にも平凡なもの。
宴会場を備えているにもかかわらず、クオリティがもうビジネスホテルである。
しかも後から気づいたが、大浴場もない。
場所も駅から少し離れているし、これでは経営も苦しいだろう。


そして屋上へ上がると、津山の街を一望できる。
「屋上へ着くと廃墟を制覇した気分になるなぁ」というGORIのつぶやきは、ごもっともである。

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【廃墟:ホテルNバード】
さらにもう1軒、廃墟ホテルへ。
といっても、こちらはラブホテル廃墟。
廃墟散策を長く続けているが、ラブホテル廃墟ははじめてである。

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こちらは先ほどよりも荒廃がひどく、残留物もほとんどない。
部屋も全体的に質素でお風呂も狭く、現役のラブホであっても魅力がないだろう。
あまりラブホとか知らないけれど。

 

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【寄り道:古着屋 西海岸】
湯原温泉へ向かって走っている最中、ひときわ目を引いた建物が。
一見して大きな倉庫か工場なのだが、そこには「古着屋 西海岸」という看板がある。
2人とも妙に気になったので、わざわざ引き返して入店してみることに。


おお、すごい!
だだっ広い建物には、びっしりと古着が並ぶ。
とにかく量がえげつなく、圧倒させられる。

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メンズやレディース、ポロシャツやロンTなどの区分けこそあるものの、ブランド別にはなっていないのが残念。
また、量の割に値段がやや強気というのも残念。


こういうところでシャツの1つでも買えば思い出になるんだろうと、ロンTをひととおり見るも、なっかなかいいものが見つからず。
といいながら、チェックシャツを1枚購入。

 


【廃墟:Y観光劇場】
湯原温泉郷に到着し、お宿の前を通り過ぎて向かった先は、Y観光劇場。
いわゆるストリップ劇場跡で、廃墟マニアならおそらく誰でも知っているだろう有名な場所である。


外観からして特徴的で、緑のビニールに囲まれた入口ゲートが山へ延び、その先に大きな施設がそびえる。
まずは入口ゲートを登るのだが、途中足場が崩れていて危ない。

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入口のドアをくぐると、寄席のロビーみたいな空間がある。
さらに奥へ向かうと、いよいよステージだ。
正面にステージがあり、そこから張り出し舞台が延び、すぐ先に円形のステージ。
そして円形のステージを囲むよう、簡易な丸椅子がびっしり敷き詰められている。
天井から下がる無数の提灯や造花、全体的に原色が施された空間は、まさしく昭和レトロ。
もしここが現役だったとしたら、ストリップそのものだけでなく、純粋にレトロな雰囲気に酔いしれることができるだろう。

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舞台から裏方へ向かうと、「舞台注意事項」と書かれた手書きのホワイトボードが目につく。
踊り子さんに向けた、舞台へ上がるうえでの心得が書かれている。
「オープン時はいつも笑顔でニコニコと プロの自覚を大切にすること」
という言葉に、決してオーナー側は踊り子を卑下せず扱っていたことがうかがえる。

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さらに奥に行くと、いくつもの部屋が用意されている。
まずは居間のように使われていたであろう共有スペースがあり、キッチンを経て、8畳ほどの部屋がいくつかある。
踊り子さんたちは、ここで生活をしていたようだ。

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各部屋には数多くのモノがぶちまけられている。
意外に多いのが写真。
ストリップのシーンではなく、普通の家族写真がほとんど。
あと多いのが、子どものおもちゃ。
ここで育児までしていたのかと考えると、えもいわれぬ感情を抱いてしまう。
他には錠剤も多く、市販ではないというのが複雑な気分にさせてくれる。
そのうちの1つを調べて見ると、案の定、性病用のものだった。


ただ1つ残念なのが、散策中に外が暗くなってきたこと。
廃墟を散策するというのに2人ともライトを忘れていたこともあり、あまり長居することができなかった。

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【宿】
17:30に宿へチェックイン。
ひとり約2.8万円という、個人的におそらく過去最高額の宿である。
2階建てで、庭をぐるりと囲って建てられているさまは、老舗の旅籠を連想させる。

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そして何といっても、部屋に露天風呂がついている!
これもはじめてである。

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夕食は、牛すきやき・牛ステーキをはじめとした会席料理。
そらあうまいのは当然だが、おっさんの胃袋には重い重い。


食後は温泉に入り、部屋で酒を交わす。
おっさん2人の会話なんてまぁひどいものだが、言葉が途切れることもなく、気がつけば午前0時を過ぎていた。
個人的に、旅行時は23時には寝たいところなので、大幅な夜ふかしである。
が、こうして時間に縛られないことも旅の醍醐味である。

 


長い長い1日は、こうして終了。
つづく。