一棟借りの宿に入って至れりつくせりさに歓喜をした、つづき。
とりあえず和室の掘りごたつに集結して落ち着く。
8人宿泊を想定しているのに、掘りごたつに8人はギリギリ入らないなぁ、という精一杯の不満を絞り出すも、やはり興奮は冷め止まない。
少し落ち着いたところで、カラオケが好きだというゴンタ長男を連れてバーカウンターへ。
通信カラオケと聞いていたのでカラオケボックスと同じマシンかと思いきや、デンモクらしきメニューパネルがない。
代わりにマイクにボタンがついている。
あっ、通販番組で見たことあるやつ。
試しに曲を検索するが、歌いたいものが全然ない。
カウンターに設置されている歌メニューを見つけるも、メニューどおりに番号を入れても曲が入らない。
さんざん調べてみると、どうやら通信ができておらず、機械にプリセットされている曲しか選べないらしい。
こうなると、歌える曲がない。
困っているところで一同がバーカウンターに集結し、ゴンタ長男を筆頭にみんなが歌い始める。
そういえば、このメンバーでカラオケしたことってはじめてだ。
僕は歌うことを諦め、代わりにカウンターのマスターを気取る。
昔っから、カウンターの奥に立つということに、なぜかあこがれがあったのだ。
お菓子を盛り合わせて出したり、ちょっとした料理をキッチンで作って持って行ったり。
しばらくすると、バーカウンターには作三とゴンタ長男だけ残り、他はキッチンへ集結。
夕食の準備をして、ちまちまつまんではお酒を飲む。
カラオケ好きな2人は依然として帰ってこないので、時々食べ物と飲み物を運んでやる。
正直なところ、キッチンも椅子が足りず8人では狭いので、ちょうどよい。
何このフリーダムさ?
好きなタイミングで好きなことができる。
キャンプとはまた違った楽しみであり、どこかキャンプに通ずるものがある。
順ぐりにお風呂にも入り、午後11時ごろにみんな力尽きて就寝。
もう少しだけ続く。