今回の旅でいちばん大変だったのは、4日目。
青森には左右2つの半島があるが、左側の津軽半島の北端に竜飛(たっぴ)岬がある。
そこまでに「竜泊ライン」という道が延びるのだが・・・
地図で見る限り道が蛇行しており、明らかに山道であることがわかる。
今までキックボードで峠は何度も越えてきたので、覚悟はしていた。
しかし、現実という壁にまざまざと直面するのであった。
風。
それも暴風といっていいほどの強力な風が、絶え間なく吹くのである。
しかも運の悪いことに、向かい風だ。
歩を止めると体が後方に押し戻されそうになる。
そのため、疲れを感じても体が寒さでこごえてきても、決して立ち止まることを許されない。
1つ誤算していたのが、坂がアップダウンしていると勘違いしていたこと。
ある程度坂を上っては「そろそろ下りかな?」という期待が、見事に裏切られる。
ただただ続く、上り坂。
どこまで続くかわからない、上り坂。
進めば進むほど高所になるので、万が一道から外れると命の危険すらある。
本当に怖かった。
「もうやだ!」と気持ちが途切れても、まったくどうすることもできない。
ただ上り続けるしかなく、気持ちが落ちないことだけを意識してひたすら進んだ。
以上が、今回の旅の修羅場であった。
なお峠の頂点は展望台となっており、そこから見下ろした景色はもう最高!
天気が悪く見晴らしもよくないが、そういうことではなく、ただただ感動した。
下り坂は、50キロか60キロは出てたんじゃないかな?
山間の谷間であったり、山にそびえる風車が見えるたびに、テンションがあがって雄叫びをあげまくっていた。