キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

長久寺八十八箇所石仏めぐり

春から夏にかけては忙しくなるので、最後のリフレッシュのため、先週水曜は有給をとった。
天気もいいので外出をと、前日にあれこれ調べているうちに、奈良でお遍路ができる場所を見つけた。

場所は、奈良県山添村
お寺の裏山に、お地蔵さんを巡る道があるとのこと。



名阪国道から山道を走り、ひっそりとたたずむ集落にたどり着く。
「八十八カ所 石仏めぐり」という文字と、地図の書かれた大きな看板が建っているため、場所はわかりやすい。

まずは長久寺の本堂をお参り。
そこから奥の道を少し上れば、お遍路の道案内が出ている。

ちなみに、今回の巡礼は、次の内容を取り入れた。
・数珠を身につける
・線香立てがあれば、線香をあげる
・合唱→読経→礼拝



お地蔵さん同士の間隔はせまく、ほとんどが10~20歩くらい進めば次を参ることができる。
道は狭く、上り坂が蛇行するように続く。
1体ずつ足を止めてはいても、とにかく上り坂が続くので、順調に体力が奪われる。

この種類の巡礼の場合、だいたいお地蔵さんの形状や大きさは似ていて、1人ないし1団体がまとめて作ったような感じである。
が、ここはいろんな種類のお地蔵さんがあって、面白い。
中には、首がとれてしまったものを、無理やり後からセメント状のもので作った、というものもある。

あと、お地蔵さん1体ずつに、比較的きれいな前かけがされている。
これは、毎年秋に「地蔵祭り」というものがあり、有志が前かけを交換するそうなのである。
小さな集落の、有名でないお寺で、そのような伝統がずっと続いていることを想像すると、何だか胸が熱くなる。
そういえば道も、大きく荒れた様子はなく、歩きやすい。

途中に、岩に文字や仏様が掘られている個所がいくつかあるというのも、見ごたえがある。
中には、どうやってそんな場所に掘ったの?という高い場所だったり、道から離れていて注意しないと気づかない場所だったり。
つくづく、地元の方の信仰心に驚く。



50番あたりが、順路ではいちばんの高い場所である。
そこから下りが続くかと思えば、「奥の院」と呼ばれる、番号は打たれていないが巡礼の対象となる箇所への道が、60番あたりからのびる。
かなり勾配のきつい上り坂の100mは、平地の1キロ以上の体力を奪われる。
ただ、登り切った先には大きな岩に掘られた2体の仏さんがあり、来てよかったと感じる。



そこから順調に下っていき、87番の後に池がある。
足を止めると、その池のまわりにはたくさんの石仏が。
「西国三十三ヶ所観音霊場」を模した石仏らしい。
四国八十八箇所西国三十三箇所という、2大遍路を体感できるなんて、はじめてである。



といった感じで、昨年から続く「お遍路熱」を満足させるには、十分すぎるいい場所であった。
仕事でモヤモヤのピークだったが、この日を堺に気持ちも落ち着きはじめた気がする。
やはり、遠出して自然に触れることは、大事だなと痛感した。