キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

上京物語~江戸落語編~

雨の中、浅草の町をひとりで歩く。
というと、少し詩的というか、演歌っぽい。
単に、傘を買うお金をケチっただけなのに。


さて、東京日記の続き。
上野から浅草へと移動し、商店街をウロつく。
「和風」と「レトロ」をやたら主張したみやげ屋が並ぶあたり、歩いているだけで楽しい。

特に何を買うでもなく、向かった先は「浅草演芸ホール」。
今回の目的でもある、江戸落語を見るためだ。

外で入場料を払い、敷地に踏み込むや、右手に小さなみやげ屋があるのみで、すぐに劇場の扉がある。
扉を開くや、すでに落語がはじまっている。
開場全体は、バスケットコート2面くらい、と形容すればいいだろうか。
思っていたほど広くはない。

プログラムは、1人あたり10~20分くらい?の持ち時間で、次々と落語家さんが入れ替わるシステム。
途中、いわゆる「色物」と呼ばれる、落語以外の出し物がある。
漫才はもちろん、フルート漫談、傘芸、アコーディオン漫談、などバラエティ豊か。


話や芸の好みはあれど、全体的には楽しめる。
手を叩いて大爆笑、ってことはないが、ついつい寝てしまうでもない。
何だろう、お風呂に入っているような、とてもリラックスした状態に自分がいることに気がついた。

出演者は、ほとんどわからない人。
中には、テレビで何度か見たことあるな~、という人が少しいたくらい。
唯一、はっきり知っていたのが、僕らの世代では「こぶ平」という名前のほうがピンとくる、正蔵さん。

ううむ、おもしろい。
ヒロミにいじられ、ややダメキャラのイメージしかないからこそ、よけいにそのギャップがあるというか。
なぜ、テレビに出る必要があったのだろうか。
1人の落語家として見れば、声もいいし、演技も見事だし、本当にすばらしい。

その他の出演者は、客席に負けじと、高齢者が多く感じた。
もちろん若手の落語家さんもいるが、10年先・20年先に今の雰囲気は保てるのだろうか。

関西の落語、いわゆる「上方落語」との違いは、正直あまりわからなかった。
まぁ、上方の落語自体をまだ数えるほどしか見ていないので、わかりようもないのだが。


ただ1つ残念だったのが、後ろに座っていたババア集団。
演者が話をはじめていることおかまいなしに、まぁしゃべる。
話し家の言葉に対するうっとうしいあいづちだけでなく、普通に世間話とかもする。
また、腹が減っては、おかしの入っているビニール袋をず~っとガサガサ音を立てる。

特に、若手が出てきたときなどに顕著である。
本当に前の声が聞こえなくて、話が途中から何度もわからなくなった。
しまいには、いちばんいい頃合でオチを言う、という暴挙。
ほんま、マナーを守るという常識がわからんなら、劇場はおろか、家から外に出ないでください。


とまぁ、若干の後味悪さを感じながらも、期待以上に楽しめた。 2,500円という金額も、10組以上の出演者を見られたのだから、安く感じる。
紹介くださった政之助さん、本当にありがとうございます!


で、東京日記も、これで終わりでございます。