キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

うつのたね

一時よりだいぶマシにはなったものの、依然「うつモード」継続中である。
シーズン的なもの、と言い張ってはいるものの、外的要因によるものかも知れない。
後者が正解なら、そのうちの1つが、ライターとしての技量的なものであろう。

仕事の話は日記でするまい、と思っているので、以下はあくまでライターという職業についてのお話。
と、しておいてください。


ここ半年くらい、カタログの文章を執筆する機会が増えた。
ライターなので当たり前、というわけではない。
僕の本来の職業は「テクニカルライター」という、取扱説明書を執筆する業種である。

この「テクニカル」というところが、なかなかのキモである。
取扱説明書を執筆するうえでの原則は、「商品の情報をすべて書く」である。
つまり、1つの製品に搭載された機能は、もれることなく説明しなければいけない。

ところがカタログは、「商品の情報を抽出して加工して書く」が必要である。
1つの製品に搭載されている機能のうち、強く打ち出す機能を抽出し、優先順位をつけなければならない。
さらに、その機能を使うことで具体的にどんなメリットがあるか、と情報を加工して伝えなければならない。


同じ執筆作業でも、ぜんぜん違う。
だから当然、うまく行かない。
必死こいて頭ひねって、ようやく作り上げた文章が、チェックを出した段階ですべてボツ、など当たり前。

ここで厄介なのが、「テクニカルライター」というプライドである。
名前に「ライター」とついており、10年以上続けているのだから、当然ながら時間をかけて作った文章には自信がある。
そのプライドが、カタログの執筆作業では、いともたやすくへし折られるのである。


というのが、うつの原因であろう。

あとここで、1つ悩みどころがある。
このままカタログ執筆を続けるのか、テクニカルライター業に専念するのか、である。
このへんは、会社に相談したら調整がきくのであるが。

テクニカルライター業に専念するのが、自分にとっても楽だし、社内の取扱説明書の品質にも好影響である。
ただ、転職を見据えた際に、幅がせばまる。
げんに、前回転職の際にはテクニカルライターの求人が少なく、むしろカタログを手がけるコピーライターの需要のほうが高かった。

ならばカタログをがんばれ、となったところで、自信が持てない。
いくつか数をこなせば慣れるだろう、と思っていたが、半年かかってまだスタート地点、である。
前述したが、自分の書いたものがリセットされる気持ちというのは、精神的に本当にこたえる。


テクニカルライター初心者のころは、何度も書き直しを言われながら、成長できた。
今もその過渡期で、ひたすらガマンをくり返せば、いずれ芽が出て、面白味が生まれるのだろうか。

半年後、1年後の自分がこの日記を読んで、果たしてどんな顔をしていることだろうか、楽しみである。