キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

「魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-」感想

昔から映画を見るという習慣がなく、映画館に行くとすれば女の子とデートの手段として、という感覚を持っていた。
だからこそ、めっきり映画館へ行く機会というのがないというのが悲しいところ。
それがまさか、おっさん2人で行くことになろうとは。


小中学校時代に放映され、当時熱中していた「魔神英雄伝ワタル」が、30年以上経った今映画化される。
そのニュースを見て驚くと同時に、迷わず連絡を入れたのはゴンタだ。
中学時代に、同じくワタルが好きだということで仲良くなった経緯があり今に至るわけで、見に行くならゴンタ以外に思いつかない。
余談だか、数年前ワタルのイベントが東京で開催されたときも、わざわざ2人で行ったほどである。


そんなこんなで、3連休の2日目に、昼から2人で梅田にくり出した。
以降、ネタバレもあると思うので、今後見られる予定の方はご注意ください。

 本編開始前に、声優の田中真弓さん、伊倉一恵さんご両名によるスペシャトークが10分ほどあった。
企画としてはよい計らいだなと思う一方で、本編の内容に触れて、ややネタバレ感があり、個人的にはもっと配慮してほしいなと思った。
あと、本編が始まり10分くらいは、ワタルの声を聞くたびに田中真弓さんの顔が浮かんで、何とも微妙な気持ちになった。


さて、本編について。
実は映画用の書き下ろしストーリーではなく、YouTubeで9話にわたって放映されたものを、映画版としてつなげたもの。
そのせいもあってか、要所で話がかけ足になっていたり、あからさまな省略が施されていた。
残念ではある一方で、体感的に2時間とは思えないほど膨大なボリューム感を覚えた。


絵は当然だが、昔のタッチとは若干違っていて今風になっていた。
しかし要所で使われるBGMが、ほとんど当時のもののまま。
それを映画館の大ボリュームで流れるつど、鳥肌が立つような感覚で、肌にビリビリと刺激が走った。


茶番のような子どもでも楽しめるシーンや、友情を強調した場面、また終盤には大人向けのシリアスな展開まで。
演出がまさにワタルの全シリーズで共通して使われていたものであり、ワタルファンとして存分に世界観に導かれてしまう。


そして最後のエンドロールでは、ワタルの初代OP曲「STEP」が、ワタル全シリーズの切り抜きとともに流れる。
うまい!
やはりワタルの曲としては、これしかない。
今回の映画だけでなく、30年以上のワタルという作品を締めくくっているような感覚がして、心をいい気持ちで締め付けられる。
他のお客さんも同様なのだろう、エンドロールで帰る人は誰一人いなかった。
とっくに引退したa・chi-a・chiの曲を、大音量で聞けるという時代だけでも感動ものであった。

 


全体として、制作者側の「ワタル愛」をひしひしと感じた。
それが見ている側の「ワタル愛」を共鳴させて、確かな満足感を味わわせているのだろうなと思う。


30年を過ぎても色褪せない「ワタル」の世界、今後も何らかの形で続いてほしいなと思う。
そしてまんまと、僕ら中年層の貯金が吸い上げられることだろう。

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