キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

北木島・真鍋島お遍路 ミニ遍路 ~1日目・前編~

やや消化不良で終わった和歌山旅行から1週間。
月曜日に有給がとれたので、2週連続で、旅立つことにした。
本気でストレスがエラいことになってきているので、このくらいのリフレッシュしてもバチは当たらないでしょ。

目的地は、笠岡諸島
岡山県笠岡市より南にある、7つの有人島を持つ島々のことである。
このほとんどの島で、ミニ遍路ができる。
以前から行きたいと思っており、いい機会なので旅立つことにした。


【笠岡ラーメン・坂本】
新幹線と在来線を乗り継ぎ、午前10時半に笠岡市に到着。
真っ先に向かったのは、渡船乗り場ではなく、ラーメン屋。
何でも、笠岡ラーメンなるものが名物としてあるらしい。
また、島へ渡ってから昼食にありつけることが難しそうなので、早めにとることにしたのだ。

駅前からすぐにある「中華そば 坂本」は、9:30より開店しているお店。
この笠岡ラーメンというのは、朝食として食べる文化もあるのだそうな。

お店の外見は、おそらく下調べしていなければ、まず入らないだろうという古いたたずまい。
店内も、まったく飾り気がなく、片田舎にある常連しか来ない食堂、といった感じ。

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メニューは、壁のホワイトボードに書かれた「並盛600円」「大盛700円」しかない。
迷わず大盛を頼むや、すぐさまラーメンが出てきた。

黒めのスープをすすると、鳥の味を感じるものの、少し味が弱い?と感じる。
しかし、続けざまに麺とトッピングの鶏肉を食べると、あら不思議、絶妙にマッチする!

麺は博多とんこつラーメンでよく使われる、細くコシのある麺。
この麺が、しっかり味がついており、このテの麺では今まででいちばんうまい。
また、鶏肉はこのラーメン全体の要となっており、味が濃すぎるわけでなく、うまいこと麺とスープの調和を整えてくれる。

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お店の方も気さくで、大きなリュックを抱える僕を見ては「家出か?」とけしかけてくれる。
お会計はお店の人がやってくれたが、カウンターに「勝手に精算機」というのが設置されており、そこにセルフでお金を置く仕組みとなっている。

旅の序盤から、実にいい気分になった。


【渡船】
渡船乗り場は、駅から歩いて5分ほどした場所にある。
待合所では、意外にも多くの人がひしめき合っている。
まあ、半分くらいは釣り人で、どの離島にも釣り人はたくさんいるのでうなずける。

乗船後、目を引いたのは外国人の団体さん。
日本人でもなかなか知られていないこの諸島が、世界レベルで有名なのか?

とか思っているうちに、ひとりの日本人に話しかけられた。
彼は先ほどのラーメン屋にもいた人で、登山を目当てに白石島というところに渡るらしい。
軽く話した程度だが、その後彼が臆することなく外国人に話しかけていて、ビックリ。
このくらいの社交性を持っていれば、自分自身のいろんな間口が開くんだろうな、と感じる。

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北木島・1番へ】
やがて、北木島へ乗船。
他の島では乗下船するお客さんが多かったのに、北木島は意外に往来が少ない。
諸島の中でもいちばん大きい島だというのに、意外である。

船を下りるや、まずはすぐ近くにある、今回泊まる旅館へ。
荷物を預け、必要な荷物だけリュックに入れて、ようやく出発。

まずはミニ遍路の出発点となる、1番へ向かう。
道は車が何とかすれ違うくらいの幅しかなく、車も人も、ほとんど往来しない。

静かだ。
日常生活と完全に隔離されていることを、強く感じる。
これこそ、離島の魅力である。

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30分ほどして、1番があるだろう場所へと到着する。
「だろう」というのは、手元の地図がざっくりとしか書かれておらず、具体的な場所がわからないのだ。
インターネットという膨大な情報網の中でも、そのくらいしか情報が載っていないほど、このミニ遍路というものはマイナーなものでもある。

小高い丘が墓地となっており、途中にいくつか石仏がある。
ただし、番号がついているわけでなく、どれが1番なのかがわからない。
1か所、大きな石仏がまつられたエリアがあり、ここかなと感じるも、やはり番号がない。

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もしかして、墓地の奥地にあるのかも知れない。
ということで、ひたすら丘を上っては、迷路のような道に迷う。

やがて、丘の頂上に祠を見つける。
ここも、やはり番号が書かれていない。

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もう、いいや。
ここを1番とみなし、先ほどの大きな石仏を2番とみなそう。
ややヤケクソになってしまうのは、もうこれ以上の手がかりがないからだ。
この1番探しだけで、何と1時間は費やしてしまっているのも、ヤケクソになる理由の1つである。

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お遍路自体は始まったばかりだけれど、次回に続く。