キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

遍路納め!御室八十八箇所霊場~前編~

最近何かと、うまく行っていない。
もしくは、そういう気がするだけなのか。
いずれにしても、どうも心が不安定に感じる。

こいつは、心の浄化が必要だ。
ということで向かったのは、古文にも出てくる、「仁和寺」。
お寺の横っちょにある、全長3キロのお遍路道である。
前回の奈良「矢田寺」に次いで、こんな近場でお遍路体験ができるのは、実にありがたいことである。


県道から民家へ入り少し歩くと、「一番札所」という大きな看板あり、わかりやすい。
境内にあるお堂を参ると、そこから一本道の巡礼コースが延びる。

ミニ遍路といえば、お地蔵さんがむき出しというパターンがほとんどであるが、ここはすべてがお堂というのがすばらしい。
山道に、次から次へとお堂が建てられている姿は、ただただシュールである。
お堂の間隔も、場所によりけりであるが、だいたい次のお堂が見えているくらい狭い。



お堂を巡る作法は、必ずしもルール化されているわけではなく、どこにも紹介されていない。
なので、過去の経験から、次のとおりとした。

(1)数珠を装着
(2)お堂前で軽く合唱礼拝
(3)鐘をつく(ただしほとんどで鐘が朽ちている)
(4)おりん(チーン)を鳴らす
(5)合唱・礼拝
(6)お経を唱える(なむだいしへんじょうこんごう×3回)
(7)お堂前で軽く合唱礼拝



こんな穴場、誰も来ないだろうと思いきや、たま~に人が通り過ぎる。
道も、雑草や倒木もなく、それなりに多くの人が訪れているということがわかる。

それより何より、しんどい!
運動不足の体には、ひたすら続く上り坂はこたえる。
40分そこらでばて、23番にあった休憩所で、ひと休み。
序盤からこんな状態で、ホンマに結願できるのか?



再出発後も、さらに上りが続く。
あと、こんなん言うとバチあたりになるかも知れないが、お堂の形状に代わり映えがなく、飽きを感じる。
まさしく、「修行」しているような感覚になる。

さらに40分、43番のお堂脇に、愛宕山を見晴らせる展望台をあらわす小路がある。
歩いてすぐ、小さな広場でひと休み。
まわりに人工物はなく、聞こえてくるのは鳥のさえずりや、虫の声。
日常をすっかり忘れられる、実に不思議な空間である。



・・・体力を回復しつつ、後編へつづく。