キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

廃キング遠征 in 岐阜【後編】

昨日の続き。
廃墟散策、2日目!


【廃墟:診療所跡】
廃墟マニアの間では、相当人気のあるらしい、診療所跡。
まるで侵入者から身を隠すような、深い雑草をかきわけると、そこに古いたたずまいがある。

一見したところ、予備知識がなければ、これが「診療所」だと気がつかないだろう。
それもそのはず、この診療所が現役だったころは、昭和の初期とも中期ともいわれている。
今の診療所とは、見た目も違えば、置いてあるものも違う。

ここの見どころは、受付の裏手にある棚。
薬の入ったビンが、ずらっと並んでいるのだ。
今でこそ薬といえばカプセルが常識だが、昔はさまざまな粉薬を、病院で調合しながら配布していたことがわかる。

その他、残留物として大量の書籍がある。
出版年式を見ると、昭和初期であったり、大正であったりと、本当に目を疑ってしまう。
こんなもの、博物館などで、ガラス越しでないと決して見ることのできないものだ。

廃墟というのは、一時期のブームを境に、心ない侵入者により荒らされたり、侵入者を排除するため撤去することが常。
しかしここは、誰にも荒らされることなく、ただ時の流れを封じながらも、ゆっくりと建物としての寿命を全うしている力強さを感じる。


【廃墟:楽園】
離れた場所から見ても、その白く独創的な建造物は、ひときわ強い存在感をあらわしていた。
それが、山々に囲まれた一角から顔をのぞかせていたのも、その一因なのかも知れない。

明らかに何らかの施設であっただろう道を、ひたすら登る。
途中、庭園跡やら像やらが、突然姿をあらわす。
こまねに残留物があるものだから、歩いていても決して飽きることがない。

やがて、「これ道か?」と思えるほど荒れた道となる。
なおも進んだところで、大きな石段にぶつかる。
石段を上りきったところで、思わず息を呑む。

堂々とそびえ建つのは、白く球体型を帯びた建物。
その中央には、黄金色に光り輝く仏像。
仏像はガラス張りで守られているため、まったく輝きを失っていない。

まわりの建造物が朽ち果て、自然に戻ろうとしているなかで、この塔と仏像だけは、永遠に生き続けようとしている。


【総括】
今まで、なぜ岐阜がノータッチだったんだろう?
と思えるくらい、アタリだらけの散策だった。

短時間ながら、的確に次々と場所を見つけたピースケさんが、何よりの大活躍。
そして、いつもながら長時間の運転をしてくれたあつし君に、感謝。
ただわがまま言ってはみんなの意見を妨害した僕は、ただ反省するばかり。

なかなか他人に理解されないこの趣味も、きっとこれからも継続することであろう。