初対面のお客さんに地獄谷のメイン通りに案内された、つづき。
メイン通りといっても、やはり一見してただ細い路地裏である。
それでいて、たくさんのネオンが輝いていて、しっかり飲み屋街であることがわかる。
さすがメイン通りというだけあり、いずれのお店も客がいっぱい。
というか、どこも席数が少ないので、3人で入るにはキツい。
メイン通りを抜け、他の路地を散策。
とにかく空いているお店を見つけたら入ろう、と見つけたのが「地獄谷冥土バー」。
10席ちょっとあるカウンターの向こうには、多くの酒が並ぶ。
スコッチも、珍しいものがたくさん。
いかにも人のよさそうなマスターが言うには、ここのお店はジントニックが名物だという。
正直なところ、ここは以前にテレビで見たことがある。
ジントニックだけで何十種類作れるほど、ジントニックにはこだわっているという。
「この店でいちばんおいしいのは、どの瓶でもなくジントニックです」
「おいしくなかったら怒ってくれていい」
などなど強気な発言を続けられれば、これはもうジントニックを頼むしかない。
数分待って提供されたジントニックをひと口。
ん~。
何これ?
飛び抜けた旨さがあるという感じではなく、強すぎない適度なライムの酸味と、それに絶妙にマッチしたジンの風味。
マイルドな炭酸がさらに飲みやすさを助長してくれている。
つまり、非常にバランスがいいのだ。
なるほど、これは自信満々に勧められるわけだ。
一気にグイッとあおるのではなく、ひと口ずつちびちび楽しめる。
そんなこんなで、終電ギリギリまで飲んで解散。
一軒目で店員さんの話がとにかくすごく、フードもドリンクも注文しづらかったことがあり、飲食の量はかなり少なめだった。
でも、何だろうこの満足感。
やはり街全体が独特な雰囲気を醸していて、異世界を楽しめたことがよかったのだろう。
これはぜひとも再訪して、他のお店もまわってみたい。