キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

最強ディープ!地獄谷 ~その2~

野田の商店街の路地裏にある、不思議な飲み屋街に迷い込んだ、つづき。

 


路地を歩いていると、客が1人だけで開けっぴろげのお店があった。
とりあえずここにしようと入ったのが「餃子 さんかく」。


入店するなり、「うわ~、こういう運命か~」と、どこか残念そうな感想を店員さんとお客さんがつぶやいている。
何だろう?ただの内輪ネタかな?


詰めて6人くらい座れるカウンターの奥はキッチンだが、とにかく店内がせまい。
で、カウンターには一升瓶が逆さに吊るされている。
焼酎かな?と思いきや、いずれも国産ウイスキーである。
山崎や知多のように高級なものではなく、電気ブランマルスなど大衆向けのもの。
それがずらりと8種類、ほぼ都道府県がかぶらずに並んでいる。


フードは20種類ほどで、値段はドリンクも含めてやや強気。
名物であろう餃子は、冷凍したものを焼いていることもあってか、皮の感触がちょっと硬くてイマイチ。
それよりもホルモンがうまかった。


そんなことよりも、ですよ。


入店するなり、店員のお姉さんがハイテンションで話しまくっている。
元々いた常連さんだけでなく、こちらにも。


で、ひととおり注文の品がそろったところで、「じゃあ行ってくるわ」と突如店を飛び出す。
何ごとかと思えば、何と近くのお店に飲みに行ったそうだ。


ええっ、店員さん店開ける?
そして飲みに行く?
今までいろ~んなお店に入ってきたが、ここまでアルティメットなのははじめてだ。
ちなみに僕らが入店したとき、ちょうど飲みに出かけようとしていたところだったらしい。
だからあのリアクションだったのか。


店員さん不在のまま、自然と隣りにいた常連さんとも話をする。
と、もう1人のお客さんがやってきた。
すかさず常連さんがキッチンに入り、新しいお客さんのビールを提供する。
カオスすぎ!


ようやく戻ってきた店員さんは、えらく上機嫌でその後も話が止まらない。
ひとりで話しているのではなく、絶えず対話しているのだ。
ここまで話が続くのは、もう天職ではないだろうか?
と思えば、実は雇われで「時給1,100円」だそうな。
いやいや、独立してええんちゃいます?


途中で尻ちゃんが合流すると、いちばんいじり甲斐があることを察したのだろう、尻ちゃんを中心にいじり出す。
それに合わせて律儀に尻ちゃんも応対するのだが、尻ちゃんがここまで話を続けている姿ははじめてである。
何だろう、この話術?

 


めちゃくちゃ楽しい時間ではある一方、正直なところ、途中でちょっと疲れたりもした。
あつし君や尻ちゃんとの横での話が、ほとんどできないこともある。
また、他の店にも寄りたいという願望も。
しかし話にスキがないので、お会計を切り出せないのだ。

 


何だかんだで、2時間ほど居座った。
まだ時間はあるので、すかさずもう1軒のお店へと移動する。

 


つづく。