例年よりスローペースでゲレンデに到着した、野沢温泉のつづき。
いつもは一団となって滑るのだが、今回は4グループくらいに別れて滑ることになった。
雪質はやや滑りが悪く、やはり暖冬の影響を感じずにはいられない。
そして何より、暑い!
あらかじめ薄着をしてきたが、少しすべると軽く汗ばむほど暑くなる。
しかし、これが頂上へ近づくにつれ一変。
強風も相まって、急激に寒くなる。
せめてフェイスガードぐらい、かさばるものでもないのに持参するべきだったなぁ~、とここにきて後悔する。
頂上に着いたころには、思いっきり濃霧。
これも下界との温度差によるものか。
まぁ、個人的にはスピード出して走るタイプではないので、あまり影響はないのだが。
個人的な滑りの感想としては、例年以上に滑れていないことを感じる。
かつて、自分なりの「理想の滑り」があり、それを目指していた。
が、その気持ちが年々薄れており、今年にいたってはもう、「滑ればいいや」という感覚になっていた。
最後のひと滑りのときに、上級コースへ差しかかった。
うまく滑る自身がまったくないので、めちゃくちゃスローで滑る。
すると、目の前でスキーヤーが転倒し、板とストックを置き去りに、ズルッズルと体ごと滑り落ちていく。
しまいにはそのままコースアウトと、マンガのような光景を目の当たりにする。
こちらも大変であるが、これはフォローしなければと、板とストックを拾い上げ、その人のところまで届ける。
相手は恰幅のよい外人さん。
新雪に足をとられてもがいており、大丈夫か声をかけるも「OK! Thank you!」と何事もないような口ぶりをする。
手を差し伸べようにも、僕も新雪まで行くと二次災害になりかねないし、ゲレンデの下では他のメンバーも待っている。
とりあえずメンバーの元へ行くも、相変わらず外人さんがもがいている。
僕以外の2人のメンバーが、外人さんの元へ行って声をかける。
その流暢な英語に、もう劣等感しか感じられない。
結局、外人さんは「大丈夫だ」というスタンスを変えず、2人がレスキューを呼ぼうかと提案しても「大丈夫だ」としか返さないので、そのままスルーすることにした。
最終的にどうなったのか、そこまで面倒は見られない。
下山し、宿についたのが午後5時。
風呂に入ってから、すぐに夕食。
夕食でビールに手を出さないのは、部屋にしこたまお酒を用意しているからである。
つづく。