旅の記録はWebページで、と思っていたが、Webページでは淡々とあったことを書くだけになってしまう。
なので、記憶の新しいうちに、旅で印象的だったことをピンポイントで紹介していこうと思う。
この旅でいちばん印象的だった「光景」は、何といっても糸魚川(いといがわ)の繁華街。
これだけで、ピンとくる方もいるのではないだろうか。
昨年末、広範囲かつ長期間にわたり燃えた、大火事のあった場所である。
言うても、商店街の一角が焼けたにすぎず、もう復興しているだろう。
と思っていた。
しかし現場を見るや、全身に鳥肌が立った。
荒野。
駅前という立地で、まわりは民家や商店が並んでいるというのに、広大な荒野が広がる。
その規模が、あまりに広い。
荒野に並ぶ多くの電柱や街頭が、より悲惨さを助長する。
商店街の一角だけかと思っていたし、もうある程度復興していると思っていた。
火事というものの恐ろしさを、まざまざと痛感してしまう。
もちろん、いち早い復興こそ、地元民にとっての願いだろう。
でも、もし許されることであれば、このまま残しておくというのも1つの手段ではないか、とも思った。
もちろんそれが不謹慎な思考なのかも知れないし、その思考を全面的に主張するつもりはない。
ただ、僕が感じたように、火事の恐怖を伝えるにはこれ以上の説得力はない。
ヒロシマに残されたドームのように、後世にも教訓として残せるように、何かしらの方法はないだろうか。