金曜を除く平日に飲みに行くのは、久しぶりである。
お酒が翌日に残ることが顕著になったという、悲しき初老の現実である。
そんな昨日は定時後すぐ会社を出て、あつし君と梅田で合流。
向かった先は、飲食店がひしめき合う、新梅田食道街。
「トリが食べたい!」という僕の要望に答えてくれ、「とり平」というお店を紹介してくれた。
カウンターが10席ちょっとで、座席と扉のすき間がせまい。
メニューは完全にトリが主体で、まさしく僕が理想としていた塩梅である。
座席へつくや、ねぎまと鴨串が突き出しとして焼かれる。
この2品で、このお店の味がわかる。
炭火特有の香ばしさが口の中に広がったかと思えば、後からジューシーなトリの本来の味が追いかけてくる。
こんな上品な焼き鳥が、あるものか。
極め付きは、合鴨モモ焼き。
鴨は好きだが、むしろ鴨ロースとかしか食べたことがなく、焼きで食べるのは多分はじめて。
ステーキのような大きな肉をまるまる焼き、それをひと口ずつ食べやすく切ってくれて出される。
しっかりとした噛み心地がありつつ、肉のやわらかさも併せ持つ。
何より、噛むごとに味がしみ出てくるあたり、たまらない。
お肉ばっかり食べるものだから、1時間くらいでおなかが落ち着く。
他に待ちができているようなので、ここいらでいったん退散。
もう1軒寄ろうということで、中華料理屋「新京」へ。
こちらもカウンターがメインのお店で、目の前で料理している姿が見えるのは安心だ。
名物の1つである餃子は、アンがきめ細かく、薄皮がパリパリに焼かれており、ビールに抜群に合う。
麻婆豆腐は注文後ビックリするほど早く出され、トロットロ感が口の中に強く残り、うまさが広がる。
食材のうまさと、なぜか常時しかめっ面のコックおじさんのコントラストも絶妙だ。
あつし君のほうに用事があり、午後8時という早い時間に解散となった。
しかし、会話は濃縮されたもの。
最近僕が興味あるということで、投資の話をいろいろ教えてくれたり。
今年新しくバカをやろうという計画を立てたり。
「人がやっていないことをしたい」
この価値観がドンピシャに合うことが、何よりうれしい。
これからも頭をひねって、誰もやらない冒険を共に楽しみたい。
ちなみに、早めの終了にガマンできず、さらにひとりで2軒ほど寄り道。
しかし、翌日も仕事というプレッシャーのためか、あまり量は飲めず。
また、いまひとつ楽しく感じられない。
昔は毎日のようにひとり飲みしていたのに、今はさびしさが先行してしまう。
やはりお酒は、心の通う人と飲むに限る。