キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

長岳寺へんろ道

土曜日のミニ遍路散策、第2弾。
奈良・天理市「長岳寺」にある、へんろ道。


長岳寺の駐車場にバイクを停めると、ここでもトレイルウォーキングのイベントが行われていた。
もしかして、トレイルウォーキングって、はやってんの?

などと思いつつ、長岳寺の大門をくぐると、すぐ右手に「新四国八十八ヶ所」という石柱がある。
すぐ先に1番のお地蔵さんがあるので、この奥を進めばよい、ということがわかる。

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お地蔵さんは、ほとんどが石柱で組まれた小屋に囲まれている。
ブリキ缶で作られた大きめのお賽銭入れ・ローソク立て・線香立てが必ずある。

お地蔵さん遍路で、ローソク立てと線香立てが揃っているのは、なかなか珍しい。
可能な限り、供えられるものは供えるというのがポリシーだったが、ローソクと線香をそんなに持ってきていない。
ということで、ここは申し訳ないけれど、お賽銭だけ入れることに。

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1番から順序よく進んでいるつもりが、いつしか番号が思いっきり飛んでいることに気がつく。
よくよくあたりを調べてみると、奥まったところにたくさんの石碑の並んだ場所があり、そこにいくつかお地蔵さんがあった。
これはちょっと、わかりづらい。

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そこから20番までは、ひたすら墓地の脇の道を進む。
細い小道となっているので、お墓参りの人からすれば、ちょっとウサン臭く見えたかも知れない。

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お地蔵さん同士の距離は、これまた近い。
お地蔵さんの小屋の横に番号がふられているのだが、この番号が消えて見えにくくなっているところが、多数ある。
それでも、ほぼ道の進むとおりに並べられているので、うっかり見落とすことはない。

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それにしても、蚊が多い!
立ち止まると蚊が寄ってきて、合掌礼拝している数秒のうちに群れをなしている。
これでは、歩いている途中に疲れたときに、ちょっとした休憩もできない。
お地蔵遍路ではとてもよくあることだが、なぜかいっつも、虫よけを忘れてしまう。


いちばん標高の高い48番、のすぐ奥に、石の椅子が準備されている。
そこから見える風景は、ただ木々が重なっているだけ。
おそらく、昔はここから境内が見下ろせたのだろう。
そう考えると、このお寺の歴史・この遍路道の歴史を感じられる。


50番あたりから、急激に道が険しくなる。
ヤブをかき分けないと進めず、心が折れる
石仏めぐりでは、金剛杖を持参したほうがいいのかも知れない。

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少しすればヤブから抜け、今度はやたらとキノコが生えた道に続く。
紅色で大きなキノコは、もしやベニテングダケ
頭の中では、オーバーオールにヒゲを生やした、あの有名な配管工さんが走り回る。

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絶えず続いた山道も、76番で途切れる。
ここからは、長岳寺の本堂まわりにある、平坦な道。
観光客もあちこちいて、ようやく孤独感から開放される。

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大きな弘法大師像や自由につける鐘、お遍路とは違う多くの石仏など、純粋にお寺の境内を観光できる。

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八十八番で満願し、すぐ近くの本堂にお礼参りをして、ちょうど1時間。
蚊がいて1度も休憩できなかったので、急ピッチになったのかも知れない。
夏場だったら、途中で体力が尽きて蚊の餌食になっていただろう。

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