キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

魚島追憶

3連休の旅についてのお話、第二段。
弓削島より、さらに船で海を渡った離島、「魚島」のお話アレコレ。

【セオリーオブ離島】
今までいろんな離島をまわったが、いちばん多いパターンがある。
港界隈のみ、栄えている。
民家はえげつない密度で、海から離れるに従い坂となり、いわゆる立体構造となっている。
まさしく、魚島はこのセオリーに合致する場所である。

また、島に来る人の圧倒的多数が釣り人、というのも、離島でよくあること。
島の名前がもう、それを物語っているようなもんやからね。

【小さな島】
弓削島も小さな島だが、魚島はもっともっと小さな島である。
車なら、10分で一周できるかな?

コンビニはおろか、スーパーすらない。
ランチを食べられる食堂も、見当たらない。
ここに来るなら、食料の持参が必須となる。
本当に素朴な島である。

【お遍路道】
お遍路道は、弓削島と同じく、島をぐるっと一周するような形で道がある。
道は舗装こそされているが、道幅は狭く、坂が急である。
驚いたのは、港から離れてからの道で、車や人に遭遇した数が、ゼロであること。
そのくらい、島の中心地が港に集中しているのだ。

坂はけっこう急で、まわりは木々に囲まれ、ちょっとしたトレッキング気分である。
お大師さんは、1番が寺の中にあった以外は、道路沿いにむき出されたお地蔵さんである。
ただ、番号が1番から順に並んでいなかったり、同じ番号が重複していたりで、すべて回ったかどうかという確認がしづらい。


とりあえず「小さい島」ということだけは、伝わっただろうか。
それでも、お地蔵さんを求めつつ歩くと、4時間は楽しめるのだ。
驚くことに、この4時間というのが本当に長く感じられ、まるで朝から夕方までを過ごしたような錯覚に陥るのである。
この島の時間は、確実にゆるやかに流れている。

このテの素朴すぎる島というのは、個人的に大好きである。
それこそ、すべての路地をまんべんなく歩きたくなる衝動に駆られる。
ただし、ここで2日も3日も過ごせるか、となると、まったく自身がなくなる。
悲しいかな、日々文明というものに囲まれ過ごしていると、文明から解放されたときに、リラックスと不安が同時にやって来るのである。

ちなみに、釣り人や工事関係の人にやたら声をかけてもらい、やはり目立ちまくってしまった。