キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

向島遍路 - (3)まいる

88箇所の“寺”をめぐる、といっても、単に前をとおり過ぎてしまい、ではない。
一応、1軒ずつ参拝をした。

一般的なお遍路さんの参拝方法は、何かと決まりごとや順序がある。
これについては、長くなるので割愛。
今回に関しては、本来の作法をできるだけ踏襲したうえで、あれこれ省略しながら、1つの参拝方法をとることにした。

(1)ローソクに火を灯す
(2)線香をあげる
(3)納札(おさめふだ)を納める
(4)お賽銭を納める
(5)チーンを鳴らす
(6)合掌しながら、「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と、3回唱える
(7)深く一礼

(1)(2)については、ほとんどのお堂で、備え付けられている。
備え付けのない場所では、持参したものを使う。
マッチなんかも備え付けられたりするのだが、しっけている場合が多いため、持参したライターを使ったほうが効率いい。

(3)は、自分の住所・氏名・願い事を書いた、かまぼこ板サイズの白い紙。
住所なんかは省略する人が多いらしいが、律儀に88枚、すべて書いた。
願い事は、出発前からの体調不良もあり、「健康」。

(4)は、この日のために貯金していた、大量の1円玉を1枚ずつ。
いや、金額やないんですよ、納めることに意義があるんですよ。

(6)は、本来なら般若心経を読んだりしないといけないらしいが、この省略形もオフィシャルなもの。
お経を読む、なんてやったことがないので、はじめは納札の裏にメモしたひらがなを、
「な・む・だいし?へんじょう・・・こん・・・ごう?」
と恐る恐る読み上げていたが、慣れてくると、
「な~む~だいしぃ~へんじょうこんごお~おうぉぅぉぅぉぅ~」
と、ビブラートを聞かせるほど、酔いしれてしまっていた。


これらの手順も、はじめは1つやるのに、何かとバタついて5分くらいかかっていた。
が、そのうち1分以内に済ませることができるようになった。

お堂は窓がなく、密室状態なので暑いため、お堂の中でこれらの手順を1から組むと、たちまち汗ダクになってしまう。
ということに途中から気づいたため、お堂の外であらかじめ、ライター・納札・お賽銭の3点セットを準備するようにした。

お堂にカギがかかっていて入れないこともあれば、お堂が住宅地にあって入ることになぜか罪悪感を覚えたり。
お堂のスタイルも数種類あるので、1軒ずつの個性を感じる、という楽しみ方もできる。


この参拝のプロセスも、省略したら時間的に効率はあがるんだけれどね。
やはり参拝しないことには、「巡礼している」という気分にならない、というのを感じた。