キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

ナインライヴス

朝、家を出るといつも会う少年がいる。
10歳くらいだろうか。
たいがい、スケボーっぽいウネウネして走るやつを、一心不乱にこいでいる。
ご近所とはいえ、相手のご両親との面識もほとんどないため、少年とはあいさつどころか、目もあわさない。

が、今朝は違った。
僕の姿を見るや、何やら大興奮。
「あらわれたな、○○(聞き取れなかった)!おい、どこへ行くんだ○○!」
と、僕が無視して去った後にまで、アニメの敵キャラみたいな名前を、ずっとひとりで叫び続けていた。

なるほど。
原因は、おそらく僕のTシャツにあるのだろう。
エアロスミスのTシャツを着ていたのだが、そこにあるのは、猫をキャラクタ化したもの。
目つきの悪いその風貌が、何らかのキャラに見えたのだろう。


ほんのわずかなスイッチで、自身の感情をMAXにあげられる少年の心が、うらやましかった。
というか、自分自身も、そういう心が昔は持っていたはず。

今でも、たまに心を躍らせるスイッチが入るときがある。
が、よほどレアなことがあったり、極度の幸福・利益があったりと、スイッチが高い位置に設定されている気がする。
ほんの小さなことで、頭の中で創造を爆発的に広げ、そこにしあわせを感じられることが、今はない。

そんなスイッチを低い位置に設定できれば、六月病なんてへっちゃらだろうにな。