いつのころからか、家の近くに、うどん屋ができていた。
うどん屋といっても、ぱっと見てそれであることがわかりにくい。
「うどん」と書いたのぼりでそうとわかるが、飲食店というより、ただの民家という雰囲気しかない。
土曜日の昼、意を決して行ってみることに。
たまたまガソリンを入れる用事があったので、歩いて行ける距離ではあるが、車で向かうことに。
驚くなかれ、4台ある駐車スペースのうち、すでに3台が満車。
もしかして、ツウだけが知っている、超穴場?
心おどりながらも、店の玄関を開ける。
まさかの、まさか。
おどっていた心が、ぽきりと音をたてて折れた。
くさい。
生物的とも工業的ともいえない、独特なにおいがその空間を包む。
で、ドアをあけてすぐ、左手に2人テーブルが2つと、右手に4人座敷が1つ。
まさかまさかの、客ゼロ。
あれっ、駐車場の車は誰のもの?
テーブル席と座敷の間には、水槽が3つほどある。
中にいるのは、エビ。
食用ではなく、これまた先週、近所の川で僕がとっていたものと同じやつ。
とても観賞用とは思えず、むしろ店の外に置いてほしい。
メニューは、うどんの温と冷が、それぞれ6種類ずつほどある。
また、ホワイトボードには、居酒屋メニューが10種類以上。
夜は居酒屋さんなのかな?
で、僕が頼んだのは、きつねうどん。
400円という値段設定は、吉と出るのか、凶と出るのか?
というところで、記載はとどめておく。
味なんて主観的なものだし、営業妨害にもなりかねないし。
お店の名前も、公表しません。
でもまぁ、地元のランチを食べ歩くというのも、ネタとしていいなと思えた昼下がり。