キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

狂喜乱舞造幣局

近くにあるからこそ、行かない場所がある。
そんな場所にあえて足を踏み入れたのは、2年続けて花見ができなかった後悔を、ズルズルとひきずりまわしているのかも知れない。

大阪の桜の名所として有名な、大阪造幣局の通り抜け。
一般的な桜、ソメイヨシノっていうのかな?、が散った1週間くらい後に、開放される場所である。
ウワサは聞いていたものの、この歳になって、ようやく行ってみることにした。

JR大阪城北詰駅を降り、歩くこと15分ほどか。
河川敷のすぐ脇に、やたら屋台が並ぶ道がある。
それに並行した形で、高台にあるのが、造幣局の道。


もう、人がすごい!
毎日そこそこのラッシュは体験しているが、密度といい、もみくちゃにされる時間といい、とにかくえげつない。
これほどまでの人ごみは、意外にも久しぶりかも知れない。

で、3本ほど道がわかれているのだが、真ん中のメインどおりを進む。
両側には、どピンクであったり、真っ白であったり、秋を思わす褐色じみだものであったり、いろんな種類の桜が咲いている。
なるほど、植物園のようなものだな。

人がゆっくり進むので、ある意味ではゆっくりと見ることができる。
が、ある意味では、ゆっくり見ていられない。
というのは、基本「立ち止まり禁止」で、ガードマンやら警察官が、しきりに前へ進むよう促すのだ。

それでも歩みが遅いのは、カメラマンの存在。
もちろんカメラマンといっても、ほとんどが携帯やスマホで撮る人たち。
「立ち止まっての撮影はやめてくださ~い!」と言われ続けているのに、お構いなしに立ち止まってバッシバシ撮る人らの気持ちが、理解できない。
第一、こんなもみくちゃなロケーションで、なんちゃってカメラで撮影したところで、ええもん撮れないだろうし、何より後から見返さへんやろ。

5分もしないうちに、完全に人に酔ってしまい、ただただ疲労感と戦うことに。
確かにきれいだけれど、当面ここには来ないかも。


で、帰りは屋台の並ぶ通りを歩く。
もちろん、絶えず片手にビールを持って、である。
ここまで長距離に、屋台が密集している場所というのも、珍しいような気がする。

意外だったのが、屋台の値段設定。
でかいフランクフルトが200円だったり、お好み焼きが300円だったり。
けっこう安いものが目立った気がする。
このくらい価格を落とさないと、誰も買ってくれないのだろうか。

とか考えつつ、やはり昼から飲むビールはたまらん、と心から思う、土曜日の夕べ。