久しぶりに電車で飲むビールは、おいしくなかった。
が、気がつけば手にしていたような。
週末早々、イレギュラーな残業にみまわれた。
ここ2ヶ月ずっと残業で、ようやくゴールが見えた、と思ったさなか。
しかも、ここ2ヶ月で最長となる時間、かつ1時間はサービス残業。
原因は、人のせいにばかりできなくて、事前に回避できなかった自身にも反省点がある。
そのため、誰を恨めばよいのやら、ぶつける先もなかった。
そんな感情を抱いたまま帰路へ向かい、途中にあったコンビニに、吸い寄せられるように入っていった。
ノドがかわいているでもなく飲むビールは、おいしくない。
けれども、どうしても飲みたくなった。
ふと、昔を思い出す。
新卒で、飛び込み営業をしていたときのこと。
成績うんぬんよりも以前に、毎日のように支店では説教。
客先でも、敵意丸出しで追い払われ、やるせなくゲームセンターで時間をつぶしては、何やってるんだろうと空しく感じる日々。
精神的に唯一の逃げ道は、酒であった。
それはもう、ほぼ毎日立ち飲み屋に行っては、次の日に残るくらい酔っ払う日々。
そうでもしないと、自分が保てなかった。
1日のうちで、解放された時間がほしかった。
今回は、そこまでの精神状態ではなく、ビールもたかだか1本で、明日には残らないだろう。
解放された時間。
それが、ただ何となく欲しくなったのだろう。
たった1日のイレギュラーで、なかなかの腐りようだ。
1日トータルで、今日は最高にダサかった。
もっと確固たる目標を持って、1日10分でも着手できればしあわせ、と思える趣味を持たなくては。
