キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

いつものみそか2012

電車を降りるなり、酒とアンモニアが混じったにおいが鼻をつく。

待ち合わせのコンビニの前に着くや、ひとりの若者に声をかけられる。
「すいません、このへんでうてるところ知りません?」
うてる?
「ええ、○○○(麻薬)をうてるところ」

そんなえげつない街で待ち合わせするのも、毎年恒例。
年に一度しか会わない、大学の友人GORIとの忘年会?のスタートである。


毎年であれば、昼に新世界で串カツ→日本橋でぶらぶら→晩飯前に解散、というパターン。
特に後半がグズグズになるため、今年は何か新しいことをしよう、と前々から話があがっていた。

しかし結局行き先は日本橋となった。
が、せめて細かいところでマンネリを打破すべく、昼食は串カツではなく、日本橋の「立ち寿司」で海鮮丼。
あいかわらず安くてクオリティが高く、いつも空席があることが理解できない。

食後は恒例、日本橋でウダウダ過ごす。
2時間ほど放浪した割には、何も買うこともなく、実にのんびりとした時間が過ぎる。


夕方、GORIが「何か新しいことをしよう」と提案してくる。
そのすぐ目の前には、「メイドリフレ」という名前の看板。
いわゆる、メイドさんがクイックマッサージしてくれるという趣向のお店のようだ。

ううむ。
ただでさえ、メイドさんの接客というものが苦手である。
まして、シロウトさんのマッサージの気持ちよくなさは、クイックマッサージでイヤというほど体験している。

再三拒否したものの、僕のたいがいの無茶ぶりにもいつものってくれるGORIの意見を、むげにはできない。
ハラをくくって、おそるおそる入店することに。

カーテンで仕切られたブースがいくつもある室内は、クイックマッサージそのもの。
ただ、ピンクを基調にしたインテリアやぬいぐるみなどの小道具が、拒絶反応を増幅してくれる。
言葉を途切れることなく過ごしていたおっさん二人が、無口で過ごした15分間は、まさに緊張感丸出しである。


ようやく呼び出しを喰らい、それぞれ別室に連れて行かれる。
メイドさんといっても、日本橋の呼び込みを見たことある人なら知っているだろうが、まぁ・・・ね。
あまりひどいことも言っては失礼だけど、とても心ときめくことのできるものではない。

マッサージは、案の定というか、期待以下というか。
たださすってるだけ。
僕のゴリゴリに固まった筋肉を、シロウトさんがほぐせるわけがない。

それより大変なのが、メイドさんとのトーク。
というか、マッサージ中は、たとえそこが整骨院であっても話したくないのだ。

にもかかわらず、まぁ興味のない話をえんえん聞かされる。
怖い話なんて興味ない、言うてんのに、えんえん1時間も聞かされてはたまらない。

しかも聞いてたら、メイドさんが何と16歳だとか。
第一声の「お兄さん”大阪すみ”ですか?」という言葉で、もう会話が不可能であることは察していたが。
ちなみに、「大阪すみ」→「大阪で住んでいる」という意味らしい。


お店を出た後の放心状態にさすがに悪く思ったのか、けっきょくGORIにおごってもらう形となった。

そして夜は、寝屋川の一作ラーメン。
ただでさえこってりに定評があるというのに、「超こってり」というメニューがいつしかできていた。
頼んでみたが、まぁ脂っこさがアップされているというか。
通常のこってりで、じゅうぶんである。

最後は、わざわざ我が家のすぐ近くまで車で送ってもらった。
GORIの家まで、ゆうに2時間はかかるという距離にあるというのに。
本当に、いい奴だなと心から思う。


来年こそは、完全なマンネリ化を打破すべく、かつ心にがっつり刻まれる時間が過ごせるよう、何か本気で企画しよう。