キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

失楽園

安売り、という言葉に目がない。からといっって、買い込みながらも、どこか切なさを感じるというのも、珍しい。土曜日は、「聖地」とあがめている奈良ビブレへ足を運んだ。秋冬モノの服が欲しいというよりも、もっと強いきっかけがあった。「閉店セール」。いつ来てもガラ空きだったこのモールも、ついにくたびれきってしまったようだ。閉店のニュースは以前より知っていたが、セールがはじまったのは、最近らしい。最近服を買っていないし、ここは思い切って買いあさってやろう!駐車場車を停めるや、足早に向かったのは、いつも買い物をするアメカジ主体のお店。視界にうつる「ダルチ50%」の札に、思わず歓喜の声。ダルチという大好きなブランドを安売りしてくれるところが、「聖地」たるゆえんなのである。しかしここ数年、安売りはおろか、ダルチの入荷がほとんどなかったため、喜びもひとしお。いつも安いのはインナーばかりであるが、アウターがいくつかあったので、迷わず買い。もちろん、インナーも色がかぶらないよう気をつけて、買い。さらに、他のブランドにも目を向け、ふだん買うものとテイストの違うものを、買い買い。このお店だけで、10点もの買い物をした。さらに、他の店では下着やら部屋着を、買い買い買い。気がつけば、服の買い物では感じたことのない重さを、両腕に覚えることとなった。駐車場の無料時間である2時間が迫っているも、まだ見足りないので、いったん出庫をしてから、再入場。追加の買い物こそしないまでも、心行くまで奈良ビブレを堪能した。ううむ、これであと5年は服を買わなくてよい。といっても買うだろうが、そのくらいの満足感を得た。が、その陰に「今後どこで服を買おう・・・」という、虚無感がじわじわと姿をあらわすのであった。