キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

犬の日々、猫の日々

動物はそんなに、好きではない。
といっても、動物が近づくと逃げ出すほど苦手というわけではなく、単に飼ったり触れたりするという興味がもてないだけである。
展示会のたぐいはそんなに、好きではない。
といっても、きっかけがあればそれなりに鑑賞は楽しめるため、単に自ら進んで行くほど興味がもてないだけである。

そんな僕が、まさか犬と猫の写真展に、自ら進んで行こうとは。


お昼過ぎ、心斎橋にあるギャラリー「ナダール大阪」へ、写真展「犬の日々、猫の日々」を見に行った。
きっかけとしては、カリスマ写真家でもあり、会社の同じ部にいるR-さんが、写真を出展しているからである。

R-さんの写真は、ブログ用の低画質でもじゅうぶんインパクトがあり、とてもマネのできる代物ではない。
写真展ともなれば、その魅力も倍増するだろう。


心斎橋から、通りを1本裏へ入り、古めかしいビルの地下一階へ。
こんな場所にほんまあるんか、と思える静かな廊下を曲がると、ひときわにぎやかなフロアがある。
フロア自体はそう広くはなく、カラオケボックスなら10人座れるくらい。
そこの壁にびっしり写真が並び、さらに中央のテーブルには写真の入ったアルバムがある。

出展は、複数の人が出資して、複数の人の作品が並べられている。
もちろん、真っ先にR-さんの作品を鑑賞した。

9枚の写真は、被写体こそ猫であるが、実に個性豊かな種類がある。
純粋見た目もさながら、写っている空間の雰囲気、猫が何を考えているのか、撮影した情景など、さまざまなことを想像できる。
写真1枚に、5分以上眺めるという経験は、はじめてかも知れない。
そのくらい魅力を感じたということは、別に知り合いだから褒めているという次元ではなく、純粋な僕の感想である。


他の人の写真も見たが、個人的にひきつけられたのはもう1名の方の作品群くらいで、あまり長いこと見ようと思わない。
好みの問題もあるのだろうけど。
それでも、人によって撮り方が違っていておもしろい。

猫をアップで撮るか、風景の一部として小さく撮るか。
背景をどのくらいぼかすか。
猫を中央に配置するか、左右に置くか。

などなど、ズブのシロウトである僕でさえ、写真1枚撮るにもさまざまなセンスが必要であることを感じた。
まして、動物なんて言うことを聞いてくれないし、警官心が強いので、そのチャンスを狙うという駆け引きもあるのだろう。
動物を撮影することの面白さが、伝わってくる気がした。


あとテーブルに置かれたアルバムには、多くの猫の写真が並ぶ。
いずれも、展示してもじゅうぶん映えるだろうクオリティのもの。
写真の選別だけでも、さぞかし迷ったことだろう。


なんだかんだで、ただ写真を見るというだけの行為なのに、1時間も経過していた。
なるほど、こういう写真展というのも、なかなか楽しいものだな。
こんな世界があることを教えてくれたR-さん、ありがとう!

最後に、写真展を出る前に、テーブルに置かれていた紙にR-さんへメッセージを残した。
よほどテンションが高まっていたのだろう、小さい文字でひたすら長文を書きつづった。

今思えば、さんざん書いた長文のなかに、写真に対しての感想が1ミリもなかった・・・


『犬の日々、猫の日々』
http://nadar.jp/osaka/schedule/120110.html