キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

友好的重金属

コミュニケーションを重視している職場とはいえ、同じ部署に30人近くもいては、常にみんなと話することは難しい。
しかも、部署は細かく複数の班に分かれているので、違う班の人とは、そうそう接点があるわけでもない。

その中でも、特に異彩を放つ方が1名いらっしゃる。
別にその人の人格がどうこうではなく、何となく近づきにくいオーラを感じる。
業務で2回くらい会話したくらいで、入社後1年以上、ぜんぜん話したことがない。


そんな方が、先週いかついTシャツを着ていた。
slip knotというバンドで、まぁジャンル分けが微妙ではあるが、いわゆるヘビメタ系である。
おぞましい、という形容詞が似合う、かなりインパクトのあるデザインのTシャツである。

ファッションとして着てるのかも知れない。
ということが頭をよぎりながらも、思い切って話しかけた。

「いいTシャツ着てますね~。ライブ行ったんですか?」
「うん、だいぶ前やけどな。てゆうか、自分もメタル系?」

ビンゴ!
以降、メタルの話でおおいに盛り上がった。


まぁ、ありがちな話やけどね。
人と人をつなぐ力があるなんて、やっぱメタルって最高!

厳密には、メタルやなく、音楽でくくるべきやけど。
もっと言うなら、音楽やなく、趣味趣向でくくるべきやけど。
細かいことは気づかないフリして、そもそも同じ部署で同じ趣味の人がいることだけで、めちゃくちゃうれしく感じた。


ちなみに、次の日は僕のほうが、ジューダスプリーストというメタル好きなら絶対知っているバンドのTシャツを着て行った。
まさかね。
思いっきりスルーされるとは。

けっきょくその日以来、またその人とは話することのない日々が続いているのであった。
あの日のあの弾みまくったトークは、一体どこへ行ったのだろう。