きっかけは、ごくつまらないことである。
「仕事帰りに牛乳を飲もう!」という、ほんのキマグレ。
会社の近くにあるコンビニに、毎日牛乳を買いに寄っていただけである。
毎日牛乳を買うという行動が、妙におかしかったのだろう。
いつしか、店長さんと仲良くなった。
というのは、5年前のこと。
5年のうちに、より会社に近い場所に、コンビニができた。
また、牛乳道楽も、いつしか飽きていた。
会社で、本社以外の勤務を度々命じられた・・・
いくつかの理由により、そのコンビニには行かなくなった。
行かなくなったコンビニは、いつしか行きにくくなった。
別に悪いことをしているわけではないのだか。
前を通ることすら、気分的にできなくなった・・・
って経験、ないですか?
散髪やさんとかも、昔行ってたところは行きにくかったり。
まぁ、今日そのコンビニに久々に行ったというだけのことである。
あらかじめ表から観察し、店長さんがいないことを確認して、入店。
飲み物コーナーに歩いていくと、裏から出てきた店長さんと、バッタリ!
「お、おひさしぶりです」と、思わず声をかける。
向こうもびっくりした様子で、もの珍しいものを見るように、まじまじと見てくる。
僕のことを覚えてくれていたようで、かんたんな会話を交わす。
あっ、別に避けんでもよかったやん。
ごくごく小さな心のわだかまりが1つ、ほどけるのを感じた瞬間。