キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

かんさんつにっき・せみ

会社の近所に、明るいめのバーができた。
なにげに輸入ビールが多く、特にベルギービールは、月替わりでいろんな種類が入荷しているらしい。
「これ生で飲めんの?」と、レアな銘柄の生ビールまで登場する有様。

家の近所に、酒の量販店がある。
量販店のくせに輸入ビールがない、となげいていたら、つい先日4種類ものベルギービールを置き始めた。
しかも、安い!

よりによって、ベルギービールを飲まなくなってから、環境よくならんでもっ!


最近めっきり、ビールを飲まなくなった。
きっかけは、特にない。
もともと家ではあまり飲まないほうで、特に夏は前々から飲まないようにしている。
夏は、一本飲んだら止まらんからね。

あと、外で飲みに行く機会がない。
お恥ずかしい限りである。


飲まないなら飲まないで、まぁ過食にならずに済むし、次の日ラクやし、飲んだ後の脱力感がないし。
10年くらい前は、「酒は飲めるのがステータス!」みたいな根拠のないことを、アホみたいに過信してたが、今そんなんどうとも思ってない。

いま心配なのは、急に飲むきっかけがあったときである。
営業やないけど、たとえばお客さんの接待とか呼ばれたりして。
酒離れしてたら、必然的にお酒に弱くなるからね。
失態でも起こしたなれば、どうなることやら。


結論から言うなれば、ぼちぼちでも飲むきっかけは、あるべきかなと。
いや、正直言います。
誰か飲みに誘って~!

いつものとおり、正午が訪れる。
いつもの弁当屋へ寄り、いつもの公園へ。

公園へ足を踏み入れ、数歩あるいたところで、突如立ち止まった。
公園の入り口付近にある木から、いっせいに異音。
セミが、少なくとも10匹ものセミが、足音を聞いて飛び立ったのだ。
雨のようにひっかけられたセミの小便を不愉快さを感じ、もう一歩歩くと、またも同じ木から、10匹以上のセミが飛び立つ。

必死か!
木といっても、それほど太くない木である。
セミとしては、もっと太くて樹液たっぷりの木にとまりたいだろうに。
それだけ、ビジネス街には木が少ないんやなぁ。


木陰になっているいつもの石段に腰をおろす。
ふと足元を見ると、セミの死骸と、セミの抜け殻と、セミが土から出てきた跡が、わんさかとある。

こんなにいっぱいおんの?
ビジネス街の小さな公園の下には、現在目にしているセミの、少なくとも6倍は生きているわけだ。
この歳になってはじめて、セミの個体の多さに、驚愕した。


弁当を食べ終わり、何げに石段の端を見る。
いつもあるアリの巣が、いつもの倍以上に広がり、いつもの倍以上のアリが働いている。

やっぱり、セミ狙いか?
暑いからこそ、刈り入れ時ってわけか。
暑いからこそ、部屋に閉じこもってクーラー漬けの人間より、はるかに生命力を感じる。


いつもの何げない昼休みに、夏を感じつつ、いろんなことを感じた。
季節を感じるとは、こういうことなのかも知れない。