キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

Yahoo!ニュース

事の始まりは、意外にも行きつけの飲み屋だった。

まだ春とは言えない、4月の肌寒い夜。
「隠れ家」と称するその店は家から遠く、ごくたまにしか足を運べない。
なぜか緊張しながら店へ入り、申し訳なさげにマスターにあいさつを交わしつつ、1人酒を浴びる。

この店のステキなところは、客同士がすぐに打ち解けることができるところ。
バーではよくあることらしいが、和食風のこの飲み屋でこうもハマるのは、ひとえにクラッチ役を担うマスターの手腕さまさまだろう。

例により、僕と同じく1人でお酒を飲む男性と仲良くなった。
父親と同じくらいに見えるその男性は、入店間もないころから絶えず笑顔で、時おり子供のようにはしゃぐ。

調子に乗った僕は、初対面者にはあまり話をしない、「ママチャリ日本一周」をはじめとした1人旅について、熱く語った。
するとどうだろう、その男性は眉間にきゅっとしわを寄せ、急に黙り込んだ。
しばらくしてから僕に発せられた言葉は、あまりに衝撃的すぎて、一瞬返す言葉かなかった。
「旅のライターになってみないか?」


その男性とは、関西でも大手の旅行雑誌を出版する会社の、なんと次長さんであった。
その日は連絡先を交換して別れたが、その後週に1度くらいのペースで会うこととなった。

話せば長くなるが、以降の打ち合わせの概要こういうことだ。
旅ライターを志す人間はごまんといるが、ママチャリやキックボードなど、変わった題材の旅をする発想は貴重であること。
まずはママチャリ日本一周について、雑誌で1年間かけて連載を検討するとのこと。
連載の反響次第では、書籍としての出版もアリだという。
ただ、そのためにはまずライターとしてのノウハウを知ってもらうべく、7月ごろから半年間、アルバイトとしてその会社に従事して欲しいとのこと。

僕のホームページにある旅日記を読んでの感想としては、時間の経過ごとにあったことを書いているため、メリハリがない。
もう少し、印象に残ったことがらをピックアップして加筆すると、より心に響くものになる。
そのため、日夜旅日記を書き換えては、週に1度見てもらうこととなったのだ。


最近では、毎日会社から上がっては、寝るまで文章とにらめっこ。
ここ2ヶ月、日記の更新がままならなかったことから、何かしら感づいていた人もいたのではないだろうか。
旅ライターともなれば、健康管理は必至だし、自宅から離れることも多くなることを、覚悟しなければならない。
なにぶんフリーという身分ともなれば、会社から突然切られることも、覚悟しなければならない。

悩みは尽きないけれど、またとないチャンスを逃す手はない。
考えるより先に行動することは、旅のテーマでもあり、僕の人生のテーマでもある。

32歳にして、ようやく人生の出発点が見えた気がする、今日このごろである。

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以上、すべてウソ。
現在もっとも叶ったらいいなという願望を、文章にしてみた。

まぁ~、次長に出会って気に入ってもらえるという段階で、他力本願やからアカンね。
本気で旅ライターしたいんやったら、まずは出版社に再就職して人脈作りとか、やりようはあるしね。
それをしないということは、あくまで願望のままでもよいと思っているのかも知れない。
ただ、昼夜なき仕事への恐怖心があるのかも知れない。

たまには、こんなファンタスティックを頭に描いても、よろしいやないの。
まだまだ思春期、32歳。

新聞を読まない僕の貴重な情報源である「Yahoo!ニュース」に、いつの間にかニュースへコメントを書く機能が設置されている。
時間のあるときは、コメントを読んでいるのだが・・・
なんかねぇ。

圧倒的に目につくのが、批判文。
ニュース見てグチることは、まぁよくある日本人の行為であるので、批判という行為はよしとしよう。
でも多数の場合、ニュースの本質とは異なるところを批判してたりする。

たとえば、はじめてニュースのコメント見たのが、「mixiに年齢制限なくなる」といった記事。
それに対し、「まだmixiやってるやついるの?」と会社そのものではなくユーザを批判したり、「mixi終わったな」と抽象的な批判をしたり。
話がまったくかみ合わない奴と会話しているような、もどかしい気分になってしまう。


と思っているうちに、ふと自分を振り返ってみる。
自分でもたまに、日記でニュースを批判する文章を書いている。
みんなが感じているであろうことを書いても面白くないので、あえて少し視点を変えて書くことにしている。

それは、結局僕がもどかしく思っている奴らと、同じことになってはいないだろうか?
そしてそういうことを考えていると、日記そのものを書くのが恐くなりはしないだろうか?

などと深いんだか浅いんだかわからんことを考えつつ、純粋に努力を重ねている石井慧をまだ試合する前の段階からバッシングするのは、おかしいことだと思うのだ。