僕がまだ、東京で働いてたときのおはなし。
ある朝、いつもどおり出社すると、部屋へ入る扉が封鎖されていた。
ただでさえ朝は機嫌悪いのに、扉の門番が言う「カバンの中身をチェックします。見せてください」という言葉には、心底ハラたった。
抜き打ちの持ち物検査の理由は、まったく説明はなかったが、だいたい察しはつく。
その会社は、情報漏えいに関して、とてもとても気を配らなくてはいけない会社だった。
だから、個人用のノートパソコンを持ち込んでいないか、のチェックだったと思われる。
ハラがたった理由は、カバンを強制的にチェックされたことが半分。
もう半分は、プライバシーを侵害しておきながら、なんでこんな甘すぎる対策しかできないか、ということ。
ノートパソコンより、もっと情報漏えいの危険性をもつものがある。
写真がとれ、データを保存でき、音声をリアルタイムで通信できる、小型のマルチメディア。
そう、携帯電話。
携帯電話を作業場に持ち込ませてる時点で、相当危険なんちゃう？
その会社なんて、フロアの半分は派遣社員やから、なおさら。
まぁその会社だけに限らずやけど、情報の扱いってのが、あまりに甘すぎる気がする。
情報について、こんだけ事件が多発してる、ってのに。
ISOとかプライバシーマークとか、建前だけの「安全な会社の証」が蔓延（まんえん）してるけど、もっと本質的なところから、対策を講じるべきやないかなぁ？
おっ、ちょっと社会人らしいこと書いてもうてるやんっ！
それにしても、何でこのタイミングで、上記のエピソード思い出したんやろ？
どうやら7月に、オーストラリアへ行くらしい。
会社の何周年かの、おめでたい旅行だそうで。
正味2日間、自由時間があるというプランである。
正直、ぜんぜん楽しみではない。
「海外に興味ない」といってしまえばそうであるが、何だろうね、このテンションの低さ。
まず、自由時間の過ごし方がわからない。
セオリーなのが、ダイビングやら公園散策など、「オプショナルツアー」に申し込むこと。
バカ高いうえに、集合時間とか決められてるし、楽しむ時間も限られている。
参加したら、まぁそれなりに楽しいんやろうけど、旅行会社に踊らされてる気がしてならん。
あとショッピングとか、街散策というテもある。
これは本当に自由になれるので楽しいだろうが、2日も3日も、持つものではない。
次に、メンバー。
会社の中でも、うちの部署だけ孤立しているのだが、その孤立した部署のうち、参加者は先輩と僕の2人だけ。
決して悪い先輩でもなく、話が続かないということはないのだが、逆にいえば、それほどしょっちゅう話す仲ではない。
宿は先輩と相室になるだろうし、たいがいの時間先輩と一緒におることになるだろうから、自由時間はお互い別のことをするであろう。
となると、めっちゃ孤独やん。
ツアーに参加しても、孤独だとやるせない。
あんなリゾート地、ひとりでツアーに申し込む人なんて、いなさそうだし。
そもそも、予習が必要で、べらぼうに金がかかって、時間を区切って楽しまないといけないなんて、耐えられない！
やっぱり、アバウトな目標だけたてて、あとは本能と直感だけで動ける「ひとり旅」のほうが、性に合う。
ほんま苦痛な旅行になりそうやなぁ～。
唯一の楽しみは、オーストラリアのビールを楽しめるってことかな？
VBよ、XXXXよ、待っとれっ!
