尼崎駅前で角打ち2軒寄り、すっかり酔いしれたつづき。
まだ帰宅するには早く感じ、向かった先は2駅隣の「杭瀬」。
ここにもレトロ商店街があると、下調べをしていたのだ。
駅を降りてすぐはよくある近代的な町並みで、そこから歩いて国道2号線を渡るなど、5分ほど歩かないといけない。
商店街が駅から遠くにあるという時点で、ただならぬ期待が膨らむ。
そして商店街の東端に到着。
ざっくり説明すると、東から西にかけてまっすぐ商店街が伸び、それぞれ「昭和ショッピングロード」「杭瀬1番街」「杭瀬栄町EAST商店街」「栄町商店街」とエリアがわかれている。
で、「昭和ショッピングロード」の東西に2本ほど商店街が交差している。
まずは「昭和ショッピングロード」を歩くが、まぁ見事にレトロ。
アーケードの天井にあるアーチ状の屋根が、すっかり色あせているさまがよい。
途中の道を北へ行くと、「中市場」「北市場」がある。
狭くシャッターが目立つが、意外にもそこそこ人通りがあり、それなりにお店も繁盛している様子である。
食品販売店が多かったかな?
一方で南の「杭瀬市場」は、もう完全にシャッター街。
通り一本でなぜこんなに差が出てしまうのだろう?
切なさを感じながらも、シャッターだらけの光景になぜか興奮もしていた。
続いて「杭瀬1番街」へ行くと、道幅も少し広がり天井もきれいで、中規模な都市によくある開けた商店街の雰囲気が広がる。
せっかくなのでどこか寄りたいなぁと思うも、なかなかめぼしいお店がない。
ようやく興味を惹いたのが、1軒の酒屋さん。
昔ながらの小さなお店なのだが・・・
角打ちしてる!
これはネットで探してもなかったので衝撃的だった。
あまりに小さなお店だし、もしかして常連しか行ってはいけないのかな?
などと思い、さんざんためらいながらも、意を決して入店。
「岡本酒店」にはすでに1人のお客さんがいて、カウンターは詰めて6人くらい行けるくらいの狭さ。
それでいて、コロナ対策のため満席にはしないらしく、僕が入ったときも「なるべく隣(のお客さん)と離れてくださいね」と言われた。
飲み物メニューはよく見ていないが、カウンターのすぐ目の前にある冷蔵庫を開けてもらうと、まさかのハートランド!
こういう規模の角打ちでは、まず置いていないものである。
改めて冷蔵庫を見ると、ハートランドを強く推している。
つまみはカウンターに、プラスチックのケースで珍味類がある。
また、別途練り物などもあるのだが、そのうち「じゃこ天」をいただく。
入れ物のお皿が、6Pチーズの空箱を器用に折って作られたものなのが何とも味がある。
お店のお母さんはとても気さく。
はじめは何も話さなかったが、途中で入ってきた常連さんをきっかけにお店全体に話の輪が広がり、これぞ角打ちの醍醐味!といった雰囲気が流れる。
常連さんが帰った後も、しばらく話を聞かせてくれた。
かつては近くに「塩野義製薬」の工場があり、角打ちできる酒屋もたくさんあったらしい。
そうした生の声が聞けるのも、貴重な経験である。
長くてすいません。
もう少しだけ、つづく。