キックボード旅人の日常

キックボード旅人による、旅の話とか日常のこと。

佐柳島と高見島旅 ~その6~

高見島の休憩所でゆっくり過ごした、つづき。

 


休憩所を去ってからは海沿いの道まで下り、島の北へと進む。
港から遠ざかるに従い、どんどん建物もなくなる。
何もない道の傍らに、時おり鎮座しているのが石仏。


どうやらこの高見島にも、88箇所の島遍路が根付いているようだ。
ただし、石仏に掘られている数字はほとんど確認できないし、足場だけ残って石仏がなかったりして、完全に整備はされていないようだ。
それでも、島遍路好きとしてはおのずとテンションも高まる。

 

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30分ほど歩いたところで、道は行き止まりに。
その少し手前に石段があったので、登るとそこには廃村「板持集落」がある。
登りが続く一本道を進むと、たまに横道が出ていて、その先に家屋が残る。
ただ、ほとんどの家屋は荒廃がひどく、生活臭がほとんど消えてしまっている。
完全に手入れもされていない状態ながら、しっかり道を歩いて進める状態になっているあたり、何かしら人が往来していることがわかる。

 

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続いて進路を南へ。
港を越え、集落を抜けると、北と同じく何もない道の脇に石仏が並ぶ。
北よりも数が多いうえ、ものすごくきれいな石仏も点在する。

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途中にある石碑を見てしったのだが、どうやら令和元年に「高見島88箇所」の整備のため、石仏をたくさん設置したようだ。
ただ新しい石仏には、数字が打たれていない。
もう付番は諦め、数を88個に近づけようという寸法のようだ。
島遍路の文化が風化していく場所もあるなか、こうして令和のご時世に継続する流れがあることはうれしい。


石仏を1体ずつ詣り、行き止まりの西浦大師堂に到着。
そこから折り返して港に着いたころ、ちょうど船が着く時間だった。
だいぶ時間が余るかもと思っていたが、がっつり時間いっぱい高見島を堪能できた。

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佐柳島に再上陸し、まっすぐ宿に帰っても時間が余るので、海辺に出てお茶をわかしてたたずむ。
徐々に暗くなっていく変化を楽しむのは、夕方でも明け方でもいいものである。

 


宿に帰ってからは夕食。
食後は、昨夜と同じく宿の人とおしゃべりをした。
話題は主に、離島について。
僕が過去に行った島の話をしたり、東京で離島のイベントがあるという情報をいただいたり。
あと宿のオーナー夫人が、いろんな離島に行きたいのに宿があるから行けず、隣の島すら上陸したことがないとなげいていた。
離島生活にはあこがれるが、こううした現実を聞くとちょっと考えてしまう。

 

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こうして、2日目も楽しく終了した。
つづく。