1日目の旅が終わり、宿泊施設へ足を運んだ、つづき。
宿の名前は「ネコノシマホステル」。
廃校を改装したホステルで、外装・内装とも学校の雰囲気を残しつつ、おしゃれなカフェさながらの雰囲気を醸している。
チェックイン後すぐシャワーを浴びてから、宿のすぐ前の防波堤でたたずむ。
宿は島の東側にあるため、残念ながら夕日を拝むことはできない。
しかしながら、海やその先にある島々といった非日常な光景が、徐々に暗くなるさまは見ていて飽きない。
午後7時、夕食をいただくべく喫茶室へ。
タコのお造りやタコ飯、野菜の甘辛煮など、島の家庭料理が1,000円でいただけて割安感を覚える。
食後、ドミトリーのベッド以外でくつろぐ場所がないので、日記を書くなどして時間ギリギリまで居座る。
そしてお会計をするのだが、ここで勇気を出して、宿主さんに声をかけた。
「きのう会社の人とこの宿に来る話をしてたんですが、ご主人さんらと知り合いみたいなんですよ」
そう、前日に会社の人に知らされていたことなのだ。
それを伝えることが1つのミッションとなっていたのだが、どのタイミングでどう声をかけるか、僕の中でプレッシャーとなっていた。
そんな心配も何のその、会社の人の名前を出すと、めちゃくちゃ機嫌よく話をしてくれた。
会社の人との話もそうだが、ご主人たちがこのホステルを建てるまでの苦労話も。
改装には四国の工務店の人にお願いしていたが、いかんせん船の便数が少ないため、クギが1本足りないだけでその日は何も進まない、なんてこともあったとか。
また、宿泊や飲食の商売は未経験なので、今でも手探りで営業を続けている、との苦労話も。
楽しい会話を終え、喫茶室を出ると、身震いがする。
どうやら食前に防波堤で長居したことで、湯冷めしたらしい。
もう一度シャワーを浴び、体を温めて午後10時に就寝。
つづく。